前日の事件の後、マイルズはセイディのアパートメントに立ち寄り、お詫びのしるしに花を贈ります。 ターニャと話して少し落ち着いたので、セイディは後悔し、人が自分のことをどう思うかということに少し敏感になっていることをマイルズに認めます。このダイアログからは、マイルズが昔ジャズバンドで演奏していたこともわかります。このことは後で重要になりますが、今のところは、二次的で細かい部分でしかありません。このダイアログは、マイルズが意識を失って床に倒れ、セイディはどうしてよいかわからない、というところでドラマチックに終わります。このダイアログでの興味深い表現は、 “to grow up on something” です。通常、この表現は、食べ物のためのもので、子供のときにどんなものをよく食べたか表します。しかし、を話すときに使われます。しかし、しつけや教育の主要な部分 ? たとえば、音楽、芸術、本、テレビショー、映画、スポーツなど ? について話す場合にも使うことができます。
告白
Sadie: どなた?
Miles: セイディ、マイルズだよ、ねえ、怒らないで、ちょっと聞いて欲しいんだ。ドアは開けなくていいよ、もし開けたくないなら … 私は … 私は昨日、侮辱するつもりで言ったわけではなかったんだ。ただ、君の仕事のこと初耳だったから … ちょっと驚いただけなんだ。本当に君を怒らせるつもりはなかったし、昨日君が帰ってから、本当に悪いことしたと思ってね。お詫びのしるしにこれを持ってきたんだ。
Sadie: (ドアを開けて)私にそんな資格があるか自信がないわ、マイルズ … 私の方こそあなたに謝らなくては。あなたにあんな風に言う権利はなかったわ。私、自分のことを人がどう思うか気にしているだけなんでしょうね … 昔、ちょっと嫌なことがあったから …
Miles: そうか、その言葉を聞いてちょっとほっとしたよ。とても悪いことしたって思ったんだ … たったの一言ですべてを伝えられるとは思ってなかったけど、発言が他の人にどうとられるかはわからないものだからね。そう考えたとき、あんな反応をするなんて、本当にぶしつけに見えたにちがいないって気づいたんだ …
Sadie:いいえ、全然そんなことはなかったわ … 私のほうこそ … そういう意味だって思い込んでしまって … 私の悪い癖なのよ … とにかく、ごめんなさい。
Miles: よし。じゃあ、いずれにしても、これは君を元気付けようと思ってもってきたんだ。受け取ってよ。
Sadie:本当にステキね、マイルズ、ありがとう。お入りになる?
Miles: 面倒はかけたくないんだ …
Sadie:いいえ、大丈夫よ、本当に。お願い、入って。(二人はアパートメントに入る)そこに座って。私、これを水に活けてくるわ。とてもステキな花瓶があるの。
Miles: へえ、いい部屋だね。
Sadie:(台所から)まあ、いろいろ試しているの。
Miles: へえ、聞こえてくるのは … 君はジャズのファンなの、セイディ?
Sadie:少しは、そうかな。あなたはどう?
Miles: 私はジャズで大きくなったんだ。大好きだよ … 少し演奏していたんだよ。
Sadie:(リビングルームに戻って来て)演奏していたですって?
Miles: まあ、プロとかじゃなかったけどね。どっちかといえば、ご近所バンドって感じだったな。
Sadie:それでも … 興味深いわ。思いもしなかった。
Miles: まあ、昔のことだし … (マイルズは少し震えて、気絶しそうな様子)
Sadie:マイルズ!大丈夫?
Miles: ああ。少しクラクラしただけだよ。大丈夫 … 私は … (意識を失い、床に倒れこむ)
Sadie:マイルズ!マイルズ! … 大変だわ … マイルズ!