ミャンマー(ビルマ)と聞いて連想する楽器は、日本人なら竪琴だろう。その国に、「水牛のそばで竪琴を奏でる」ということわざがあるのを、あちらの短編小説の翻訳集で知った。親身な忠告にも聞く耳を持たない、困った頑迷さを言う
要说听到Myanmar(缅甸)后联想到的乐器,日本人恐怕会是竖琴。因为从该国短篇小说翻译集得悉,在那里有一句“水牛身边弹竖琴”的谚语。意思是说,此人顽固透顶,即便是苦口婆心的忠告也听不进去。
軍事独裁下のミャンマーは、頑迷が徹底していた。たとえば2年前、自宅軟禁の続くアウンサンスーチー氏が65歳を迎えた。誕生日を前にオバマ米大統領は解放を求めたが、応じる気配はまるでなかった。それが今、この変わりようである
军管下的缅甸一贯顽固不化。譬如,2年前持续遭到软禁的昂山素季女士已经65岁,生日前夕奥巴马总统要求对她解除软禁,可是未能得到任何相应的回复。到了今天,这种现象出现了变化。
米大統領の初訪問を、人々は歓呼で迎えた。民主主義の守護者を任ずる国から大統領が来たからには、もう圧政への後戻りはない。民主化へのお墨付きと、市民は受け取ったことだろう
人们用欢呼迎接美国总统的首次访问。正因为从任命民主主义守护神为元首的国家来访了一位总统,所以再也不可能回到强权政治的状态下去了。市民们认为这次访问是走向民主化的一大手笔。
しかし、スーチー氏は訪問を尚早とも案じたそうだ。「変革の最も困難な時期は成功が見えてきたとき。蜃気楼に惑わされないよう十分気をつけなければいけない」と釘を刺す。オバマ氏と写る写真の、少し困ったような笑顔は、その表れだったろうか
但是,听说素季女士则认为访问稍早了一点。她提醒到,“改革最为困难的时期就是能够看到成功的时候。必须特别小心,绝不能使之成为海市蜃楼”。与奥巴马合影中的那张流露着少许为难之情的笑脸,恐怕正是这一点的体现吧。
スーチー氏の父アウンサン将軍は「建国の父」と慕われる。そして今、「民主化の母」となった娘を、生まれたばかりの幼子を立派に育てる試練が待つ
素季女士的父亲昂山将军被人敬仰为“建国之父”。如今,考验正等待着他已经成为“民主化之母”的女儿,她必须将刚诞生的幼子养育成人。
〈軟禁を解かれし女人たおやかに髪に花挿す疾風の中〉長田裕子。だが現実の政治に手を染めれば、民主化の象徴のような純粋を保つのが難しい局面もあろう。内外に対して「スーチー」という存在であり続けねばならない苦労を思う。疲れず折れず歩んでほしい。
〈解除软禁一女子,瘦削身材鸿鹄志,花插鬓发虽婀娜,疾风劲跑是本质〉长田裕子作。然而,倘若插手现实政治的话,再要保持民主化象征的纯粹就难了。这种情况还是存在的吧。无论对内还是对外,都感觉到为继续称之“素季”的存在所付出的辛劳。希望她走得顺畅也不那么疲惫。