雪深き冬、先頃の本紙俳壇に〈雪獄にたへて籠城沢内村〉の一句があった。おせっかいな講釈を加えれば、沢内は岩手県の内陸にある豪雪の地。南部藩時代の「沢内風土記」は、家屋を埋めて降り積む雪を「天牢雪獄(てんろうせつごく)」と称した。ひしひしと苦難の伝わる四文字である。
在此风寒雪深的严冬,不久之前本报俳坛刊登了一首俳句,<忍受雪狱千般苦,城中坚守泽内村>。若添加些许赘述的话,该泽内位于岩手县内陆地区的豪雪地带。据南部藩时代“泽内风土记”的记载,将因为不停降雪造成的积雪掩埋房屋现象称之为“天牢雪狱”,这是一个深切表达艰难困苦的四字词组。
村は合併で西和賀町になったが、役場の沢内庁舎に聞くと積雪が2メートルを超えている地区もある。今は除雪の態勢も良くなり昔のような辛苦はないという。とはいえ今冬、白魔に閉ざされて「天牢雪獄」の心地の人が各地におられよう。被害は全国で深刻だ。
村落因为合并名称已经改为西和贺町,向行政机关泽内办公大楼打听,说是有些地段积雪已超过了2米。据说如今除雪的状况已有所改善,不像从前那么辛苦。可即便如此,在当前这严冬季节,忍受白色魔怪困扰,感受“天牢雪狱”之灾的人们在各地都存在。灾害遍布全国,灾情极为严重。
除雪中などに亡くなった人は50人を超えている。過疎と豪雪は重なり合う地域が多く、やはり高齢者が目立っている。慣れているはずの雪国の人にも、きりのない雪下ろしは身体にのしかかる重労働になる。
在清除积雪过程中出现的不慎死亡人数已超过了50名,很多地区正承受着人口过于稀少和豪雪造成的双重压力,高龄者急速增多。即便对于那些本该是习惯于雪域生活的人们来说,无休无止的清除积雪也是一项身体所难以承受的繁重体力劳动。
筆者にも経験があるが、屋根の上を滑らぬように歩く動作ひとつ、なかなか難しい。命綱をつけろ、1人ではするな、といった教訓はどこか冬山登山を思わせて厳しい。雪はあなどれない。
笔者也曾有过类似经历,连一个在房顶上移步行走而不滑落下来的简单动作都十分困难。系上安全绳,不准1人单干等经验教训让人联想到冬季登山似的严格。大雪不可小觑。
雪を「天からの手紙」と言ったのは雪氷学の先達、中谷宇吉郎だった。思えば雪は不思議な代物で、きびしい霜や冷たい霙(みぞれ)と違って、むしろあたたかく平和な感じすら与える。しかし純白にひそむ「魔」は、ときに人の命も奪い去る。雪に二つの顔がある。
将雪描述成“上天给我们的书信”的是冰雪学先驱中谷宇吉郎。细细想来,雪是一个不可思议的东西,它和严霜以及冰冷的冻雨不同,可以说甚至还给人以温馨平和的感觉。但是,隐藏在这纯白之中的“魔怪”有时也会夺走人的性命。雪具有两张面孔。
きょうは魔を追い払う節分、そして明日は立春がめぐる。春は名のみの寒の底だが、地中に森に、幾万幾億の芽が時を待つ。〈冬 キビシ/春ヲ含ミテ〉柳宗悦(やなぎ むねよし)。
今天是具有驱除魔怪习俗的节分,而且明天又将迎来立春。尽管春天尚处于徒有虚名,实际仍位于严寒之低谷的阶段,可是在大地中,在森林里,成千上万难以计数的新芽正等待着萌发的时机。<隆冬虽严厉/个中已含春>柳宗悦作