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(一)
橋本:李さん、明日、お暇でしょうか。
李 :ええ、何か…。
橋本:ご都合がよろしければ、留学生寮で、食事でも一緒にしようかと思って。
李 :それはどうもありがとうございます。こちらからも何かもって行きましょうか。
橋本:いいえ、何も持って来る必要はありません。ご心配なく。
李 :日本の方はみんな餃子がお好きなようですから、明日、私が中国の餃子を作りましょう。
橋本:それはいいですね。じゃ、あした、お待ちしています。
李 :では、明日、お邪魔します。
(留学生寮で)
橋本:李さん、何もありませんが、どうぞ。
李 :では、遠慮なくいただきます。
橋本:まず、乾杯しましょう。では、李さんのご健康をお祈りして乾杯しましょう。
李 :橋本さんのお幸せを祝福して乾杯しましょう。
橋本:乾杯!
李 :乾杯!
橋本:中国の方にめずらしいだろうと思って、日本料理を作りました。お口に合うかどうかわかりませんが、どうぞ、お寿司を召し上がってください。
李 :このお寿司はなかなかいい味がしますね。おすしは作り方も簡単だし、おいしいし、種類も多いそうですね。
橋本:そうですね。ところで、お国ではおすしなんかは食べないと聞いていますが…。
李 :はい、中国では、ふつう、お米をご飯にして食べるのです。そのほかに、餃子や肉饅頭なども主食として食べますが、おすしはありません。
橋本:そういえば、餃子はまだいただいていませんね。
李 :どうぞ、召し上がってください。日本の餃子と違うかもしれませんが。
橋本:ああ、おいしいですね。日本のレストランで食べる餃子とぜんぜん違いますね。
李 :ええ、レストランの餃子は日本人の好みに合わせて作ってあるでしょう。日本で言うギョーザは焼きギョーザで、こちらで言うギョーザは水ギョーザです。
橋本:そうでしょうね。でも、今日、本場の中国の餃子を食べたら、もうレストランの餃子は食べたくありませんね。ところで、清酒はいかがですが。
李 :少しいただきます。
橋本:お国のお酒はアルコール分が高いと聞いていますが。
李 :そうですね。有名な茅台酒は五十五度もあります。
橋本:そうですか。それでは、中国の方はみんなお酒に強いのですね。
李 :いいえ、そうとは限りませんよ。例えば、私はお酒に弱いんです。
橋本:そうですか。さあ、どうぞ、冷めないうちに、もっとたくさん召し上がってください。
李 :いいえ、もうおなかがいっぱいです。今日はすっかりご馳走になりました。
橋本:いいえ、お粗末さまでした。
(二)
李 :橋本さん、今晩お暇ですか。
橋本:今晩は約束があって、ちょっと都合が悪いんですが。
李 :そうですか。明日の晩はいかがですか。
橋本:はい、空いていますが。
李 :じゃあ、一緒に食事をしましょう。今度私がご馳走しますから。
橋本:どうもありがどうございます。どこですか。
李 :松鶴楼です。人民劇場のすぐそばなんですが、わかりますか。
橋本:だいたいわかると思います。何時ごろ行ったらいいですか。
李 :そうですね。六時ごろはいかがですか。
橋本:はい、じゃ、明日の六時に。
(松鶴楼で)
店員:いらっしゃいませ。何名様ですか。
李 :二人です。
店員:どうぞ、こちらへ。
李 :ここの料理はうまいんですよ。外国人もよく来るんです。
橋本:そうですか。
李 :橋本さんは、中華料理は何回目ですか。
橋本:五回目です。料理の名前はまだよくわかりません。
李 :じゃ、今晩ゆっくり食べてみましょう。(店員に)メニューをください。
店員:はい、どうぞ、何になさいますか。
李 :かにの姿蒸し、田うなぎの揚げ物、酢豚…をお願いします。
店員:はい、かしこまりました。お飲み物は何になさいますか。
李 :橋本さんは何にしますか。
橋本:私はビールにします。李さんは。
李 :私もビール。じゃ、ビール二本ください。
店員:はい。少々お待ちください。
……
店員:お待たせしました。
李 :さあ、かにが来ましたよ。どうぞ、召し上がってください。
橋本:遠慮なくいただきます。うん。なるほど…。うまい。
……
李 :ビールもう一杯いかがですか。
橋本:いいえ、もうけっこうです。
李 :お料理をもう少し取りましょうか。
橋本:いいえ、もうたくさんいただきました。ほんとうにおいしかった。ご馳走様でした。
李 :いいえ、どういたしまして。それではそろそろ出ましょうか。
橋本:そうですね。
李 :(店員に)勘定してください。
店員:はい。六十五元になります。
李 :(金を出す)はい。
店員:伝票をどうぞ。どうもありがとうございました。
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