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鲁迅《白光》(日汉对照)(三)

作者:佚名  来源:weilan.com.cn   更新:2015-4-10 21:17:21  点击:  切换到繁體中文

 

陳士成は獅子のように馳け出して、門の後ろに行って、手を伸ばして鋤(すき)を探り出すと、一すじの黒い影にぶつかった。彼はなぜかしらんが少しこわくなって、慌てて燈火をつけてみると、別に不思議はない。やはり鋤が寄せかけてあるのだ。彼は卓子(テーブル)を片寄せて、鋤を振上げて四つの大タイルを一気に掘り起し、身を僂(かが)めてみると、いつものように黄いろい砂があった。袖をまくし上げて砂を掻き起すと、下から黒い土が出て来た。彼は極めて用心深く一鋤々々(ひとすきひとすき)、掘り下げて行ったが、深夜のことではあるし、鉄の尖(さき)に土の当る音は、とにかく重々しく、隠しおおせる響(ひびき)ではない。


坑(あな)の深さが二尺余りに達したが、甕の口が出て来ない。陳士成はいらいらして力任せに掘り下げると、コツンと一つひび破れる音がしてすこぶるひどく手にこたえ、鋤の尖に何か固いものがぶつかった。そこで慌てて鋤を投げ出し、探ってみると一つの大タイルが下にあった。彼は顫(ふる)えながら一生懸命にそのタイルを掘り起し、前と同様の黒土をたくさん掻きわけてみたが、やはり際限なく感ずるうち、たちまち小さな硬いものに触れた。丸いもの! おおかた一つの(さび)だらけの銭! その外(ほか)瀬戸物のカケラが二つ三つ出て来た。 陈士成狮子似的奔到门后边,伸手去摸锄头,撞着一条黑影。他不知怎的有些怕了,张惶的点了灯,看锄头无非倚着。他移开桌子,用锄头一气掘起四块大方砖,蹲身一看,照例是黄澄澄的细沙,揎了袖爬开细沙,便露出下面的黑土来。他极小心的,幽静的,一锄一锄往下掘,然而深夜究竟太寂静了,尖铁触土的声音,总是钝重的不肯瞒人的发响。


土坑深到二尺多了,并不见有瓮口,陈士成正心焦,一声脆响,颇震得手腕痛,锄尖碰到什么坚硬的东西了;他急忙抛下锄头,摸索着看时,一块大方砖在下面。他的心抖得很利害,聚精会神的挖起那方砖来,下面也满是先前一样的黑土,爬松了许多土,下面似乎还无穷。但忽而又触着坚硬的小东西了,圆的,大约是一个锈铜钱;此外也还有几片破碎的磁片。


陳士成は汗みずくになって掻き分けたが、心が上の空になってガタガタ顫えていると、また一つ奇妙なものにぶつかった。それは馬の掌(てのひら)に似たようなもので手にさわるとはなはだ脆い。彼は用心深く撮(つま)み上げ、燈光の下でよく見ると、斑に剥げ爛(ただ)れた下顎の骨で、上には不揃いに欠け落ちた歯が一列に並んでいる。この下顎の骨は握っているうちにむくむくと跳ね返り、遂にげらげら笑い出して口をきいた。


「今度もこれでお終い」


陈士成心里仿佛觉得空虚了,浑身流汗,急躁的只爬搔;这其间,心在空中一抖动,又触着一种古怪的小东西了,这似乎约略有些马掌形的,但触手很松脆。他又聚精会神的挖起那东西来,谨慎的撮着,就灯光下仔细看时,那东西斑斑剥剥的像是烂骨头,上面还带着一排零落不全的牙齿。他已经误到这许是下巴骨了,而那下巴骨也便在他手里索索的动弹起来,而且笑吟吟的显出笑影,终于听得他开口道:


“这回又完了!”


彼はひやりとして手を放した。下顎の骨はふらふらと坑の底へ帰ってゆくと同時に彼は中庭に逃げ出した。彼は偸(ぬす)み眼して部屋の中を覗くと、燈光はさながら輝き、下顎の骨はさながら冷笑(あざわら)っている。これは只事(ただごと)でないからもう一度向うを見る気にもなれない。彼は少し離れた簷下(のきした)に身を躱(かく)してようやく落ち著きを得たが、この落ち著きの中にたちまちひそひそとささやく声が聞えた。


「ここではない。……山の中へ行け」 他栗然的发了大冷,同时也放了手,下巴骨轻飘飘的回到坑底里不多久,他也就逃到院子里了。他偷看房里面,灯火如此辉煌,下巴骨如此嘲笑,异乎寻常的怕人,便再不敢向那边看。他躲在远处的檐下的阴影里,觉得较为安全了;但在这平安中,忽而耳朵边又听得窃窃的低声说:


“这里没有……到山里去……”


陳士成はかつて白昼、街の中でこれと同じ人声を聴いたことを想い出し、彼はもう一度聞かぬ先きに、おおそうだと悟った。彼は突然仰向いて空を見ると、月はすでに西高峯(せいこうほう)の方面に隠れ去った。町を去る三十五里の西高峯は眼の前にあり、笏(しゃく)を執る朝臣(ちょうしん)の如く真黒に頑張って、その周囲にギラギラとした白光は途方もなく拡がっていた。しかもこの白光は遠くの方ではあるが、まさに前面にあった。


「そうだ。あの山に行こう」 陈士成似乎记得白天在街上也曾听得有人说这种话,他不待再听完,已经恍然大悟了。他突然仰面向天,月亮已向西高峰这方面隐去,远想离城三十五里的西高峰正在眼前,朝笏⑷一般黑魆魆的挺立着,周围便放出浩大闪烁的白光来。


而且这白光又远远的就在前面了。


“是的,到山里去!”


彼はこう決して打ちしおれて出て行った。幾度も門を開(あ)け閉(た)てする音がしたあとで、門の中はひっそりとしてそよとの声もない。燈火は一しきり明るくなって空部屋(あきべや)と洞空(ほらあな)を照したが、パチパチと幾声(いくこえ)か破裂したあとで、だんだん縮少して、ありたけになった残油(のこりあぶら)はすでに燃え尽してしまった。


「城門を開けて下さい」


大きな希望を含みながら恐怖の悲声、かげろうにも似ている西関門(せいかんもん)前の黎明の中に戦々兢々として叫んだ。 他决定的想,惨然的奔出去了。几回的开门之后,门里面便再不闻一些声息。灯火结了大灯花照着空屋和坑洞,毕毕剥剥的炸了几声之后,便渐渐的缩小以至于无有,那是残油已经烧尽了。


“开城门来……”


含着大希望的恐怖的悲声,游丝似的在西关门前的黎明中,战战兢兢的叫喊。


二日目の日中、西門から十五里の万流湖(ばんりゅうこ)の中に一つの土左衛門(どざえもん)を見た人があって大騒ぎとなり、終(つい)に地保(じほ)の耳に達し、土地の者に引揚げさせてみると、それは五十余りの男の死体で、「中肉中脊、色白く鬚(ひげ)無し、すっぱだかで上衣も下袴(したばかま)も無い。ある人がそれは陳士成だといったが、近処の者は面倒くさがって見にも行かなかった。死体の引受人もないから県の役人が立会って検屍の上、地保に渡して埋葬した。死因は至っては当然問題ではない。死人の衣服を剥ぎ取ることはいつもあることで、謀殺の疑いを引起す余地がない。そうして検屍の証明では、「生前、水に落ちて水底に藻掻(もが)いたから、十本の指甲(つめ)の中には皆河底の泥が食い込んでいる」と。 第二天的日中,有人在离西门十五里的万流湖里看见一个浮尸,当即传扬开去,终于传到地保的耳朵里了,便叫乡下人捞将上来。那是一个男尸,五十多岁,“身中面白无须”,浑身也没有什么衣裤。或者说这就是陈士成。但邻居懒得去看,也并无尸亲认领,于是经县委员相验之后,便由地保埋了。至于死因,那当然是没有问题的,剥取死尸的衣服本来是常有的事,够不上疑心到谋害去:而且仵作也证明是生前的落水,因为他确凿曾在水底里挣命,所以十个指甲里都满嵌着河底泥。



 

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