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鲁迅《阿Q正传》(日汉对照)(十五)

作者:佚名  来源:weilan.com.cn   更新:2015-4-10 21:05:50  点击:  切换到繁體中文

 

王「髟/胡」は驚いて跳び上り稲妻のような速力で頸を縮めた。見ていた人達は気味悪くもあり、おかしくもあった。それからというものは王※[#「髟/胡」、157-7]の馬鹿野郎、ずいぶん長い間、阿Qの側(そば)へは近寄らなかった。ほかの人達もまた同じようであった。


阿Qはこの時、未荘の人の眼の中の見当では、趙太爺以上には見えないが、たいていおつかつの偉さくらいに思われていたといっても、さしたる語弊はなかろう。


王胡惊得一跳,同时电光石火似的赶快缩了头,而听的人又都悚然而且欣然了。从此王胡瘟头瘟脑的许多日,并且再不敢走近阿Q的身边;别的人也一样。


阿Q这时在未庄人眼睛里的地位,虽不敢说超过赵太爷,但谓之差不多,大约也就没有什么语病的了。


そうこうする中(うち)にこの阿Qの評判は、たちまち未荘の女部屋の奥に伝わった。未荘では錢趙両家だけが大家(たいけ)で、その他はたいてい奥行が浅かった。けれども女部屋はつまり女部屋であるから一つの不思議と言ってもいい。女どもは寄るとさわるときっとその話をした。鄒七嫂が阿Qの処から買った一枚のお納戸絹(なんどぎぬ)の袴は古いには違いないが、たった九十仙だった。趙白眼の母親も――一説には趙司晨の母親だということだが、それはどうかしらん――彼女もまた一枚の子供用の真赤な瓦斯織(がすおり)の単衣物(ひとえもの)を買ったが、まだちょっと手を通したばかりの物がたった三百|大銭(だいせん)の九二|串(さし)であった。


そこで彼等は眼を皿のようにして阿Qを見た。絹袴が無い時には、絹袴の出物は無いかと彼に訊(たず)ねてみたく思った。瓦斯織の単衣(ひとえ)がほしい時には、瓦斯織の単衣の出物は無いかと彼に訊ねてみたく思った。今度は阿Qを見ても逃げ込まないで、かえって阿Qのあとを追馳(おいか)けて、袖を引止めた。


「阿Q、お前はもっと外(ほか)に絹袴を持っているだろう。え、無いって。わたしは単衣物もほしいんだよ。あるだろう」


然而不多久,这阿Q的大名忽又传遍了未庄的闺中。虽然未庄只有钱赵两姓是大屋,此外十之九都是浅闺,但闺中究竟是闺中,所以也算得一件神异。女人们见面时一定说,邹七嫂在阿Q那里买了一条蓝绸裙,旧固然是旧的,但只化了九角钱。还有赵白眼的母亲,——一说是赵司晨的母亲,待考, ——也买了一件孩子穿的大红洋纱衫,七成新,只用三百大钱九二串。于是伊们都眼巴巴的想见阿Q,缺绸裙的想问他买绸裙,要洋纱衫的想问他买洋纱衫,不但见了不逃避,有时阿Q已经走过了,也还要追上去叫住他, 问道:


“阿Q,你还有绸裙么?没有?纱衫也要的,有罢?”


あとではこの様なことが、端近い女部屋から終(つい)に奥深い女部屋に伝わった。鄒七嫂は嬉しさの余り彼の絹袴を趙太太(ちょうたいたい)の処へ持って行ってお目利きをねがった。趙太太はまたこれを趙太爺に告げて一時すこぶる真面目になって話をしたので、趙太爺は晩餐の卓上秀才太爺(息子)と討論した。阿Qは全くどうも少し怪しい。われわれの戸締もこれから注意しなければならんが、しかし彼の品物で、まだ買ってやっていいようなものがあるかもしれないと想った。殊に趙太太は直段(ねだん)が安くて品物がいい皮の袖無しが欲しいと思っていた時だから、遂に家族は決議して鄒七嫂にたのんで阿Qをすぐに喚んで来いと言った。かつこれがために第三の例外をひらいてこの晩特にしばらく燈(あかり)をつけることを許された。


后来这终于从浅闺传进深闺里去了。因为邹七嫂得意之余,将伊的绸裙请赵太太去鉴赏,赵太太又告诉了赵太爷而且着实恭维了一番。赵太爷便在晚饭桌上,和秀才大爷讨论,以为阿Q实在有些古怪,我们门窗应该小心些;但他的东西,不知道可还有什么可买,也许有点好东西罢。加以赵太太也正想买一件价廉物美的皮背心。于是家族决议,便托邹七嫂即刻去寻阿Q,而且为此新辟了第三种的例外:这晚上也姑且特准点油灯。


油は残り少くなったが阿Qはまだ到著しなかった。趙家の内の者は皆待ち焦れて、欠伸をして阿Qの気紛(きまぐ)れを恨み、鄒七嫂のぐうたらを怨んだ。趙太太は春の一件があるので来ないかもしれないと心配したが、趙太爺は、そんなことはない、乃公がよべばきっと来ると思った。果して趙太爺の見識は高かった。阿Qは結局鄒七嫂のあとへ跟いて来た。


「この人はただ無い無いとばかし言っているんですが、そんならじかに話してくれとわたしは言ったんです。彼は何とかいうにちがいありません。わたしも言います――」鄒七嫂は息をはずませていた。


「太爺!」阿Qは薄笑いしながら簷下(のきした)に立っていた。


油灯干了不少了,阿Q还不到。赵府的全眷都很焦急,打着呵欠,或恨阿Q太飘忽,或怨邹七嫂不上紧。赵太太还怕他因为春天的条件不敢来,而赵太爷以为不足虑:因为这是“我”去叫他的。果然,到底赵太爷有见识,阿Q终于跟着邹七嫂进来了。


“他只说没有没有,我说你自己当面说去,他还要说,我说……”邹七嫂气喘吁吁的走着说。


“太爷!”阿Q似笑非笑的叫了一声,在檐下站住了。


「阿Q、お前、だいぶんお金を儲けて来たという話だが」と趙太爺はそろそろ近寄って阿Qの全身を目分量した。


「何しろ結構なこった。そこで……噂によるとお前は古著(ふるぎ)をたくさん持っているそうだが、ここへ持って来て見せるがいい……外(ほか)でもない、乃公も欲しいと思っているんだ……」


「鄒七嫂にも話した通りですが、皆売切れました」


「売切れた!」趙太爺の声は調子が脱(はず)れた。「どうしてそんなに早く売切れたのだ!」


「あれは友達の物で、品数もあんまり多くは無いのですが、少しばかり分けてやったんです」


「そんなことを言っても、まだいくらかあるに違いない」


「たった一枚幕が残っております」


「幕でもいいかた持って来てお見せ」と趙太太は慌てて言った。


“阿Q,听说你在外面发财,”赵太爷踱开去,眼睛打量着他的全身,一面说。“那很好,那很好的。这个,……听说你有些旧东西,……可以都拿来看一看,……这也并不是别的,因为我倒要……”


“我对邹七嫂说过了。都完了。”


“完了?”赵太爷不觉失声的说,“那里会完得这样快呢?”


“那是朋友的,本来不多。他们买了些,……”


“总该还有一点罢。”


“现在,只剩了一张门幕了。”


“就拿门幕来看看罢。”赵太太慌忙说。


「そんな物はあしたでもいいや」趙太爺はさほど熱心でもなかった。「阿Q、これからなんでも品物がある時には、まず、乃公の処へ持って来て見せるんだぞ」


「値段は決してほかの家(うち)よりすくなく出すことはない」秀才は言った。


秀才の奥さんはチラリと阿Qの顔を見て彼が感動したかどうかを窺(うかが)った。


「わたしは皮の袖無しが一枚欲しいのだが」と趙太太は言った。


“那么,明天拿来就是,”赵太爷却不甚热心了。“阿Q,你以后有什么东西的时候,你尽先送来给我们看,……”


“价钱决不会比别家出得少!”秀才说。秀才娘子忙一瞥阿Q的脸,看他感动了没有。


“我要一件皮背心。”赵太太说。


阿Qは応諾しながらも不承々々に出て行ったから、気にとめているかどうかしらん。これは趙太爺を非常に失望させ、腹が立って気掛りで欠伸がとまってしまうくらいであった。秀才太爺も阿Qの態度に非常な不平を抱き、この「忘八蛋(ワンパダン)」警戒する必要がある。いっそ村役人に吩咐(いいつ)けてこの村に置かないことにしてやろうと言ったが、趙太爺は、そりゃ好(よ)くないことだと思った。<



 

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