スズキ
スズキとは、スズキ目スズキ科の海水魚。全長90センチ。体は細長く、側扁する。夏季には河川にも入る。出世魚のひとつで、成長するにしたがってコッパ・セイゴ・フッコ・スズキと呼び名が変わる。
スズキの語源・由来
スズキの語源は以下のとおり諸説あるが、魚類の中でも難解な名前のひとつで断定が難しい。
1.身が白くすすいだような魚なので、「すすぎ」が転じて「スズキ」になったとする説。
2.「スス」は「小さい」の意味で、口が大きい割に尾が小さすぎることから「スズキ」になったとする説。
3.勢いよく泳ぎ回る性質から、「ススキ(進き)」が転じて「スズキ」になったとする説。
4.磯釣りで捕獲される魚であることから、「イス(磯)」を重ねた「イスイス」に長さを表す「キ(寸)」がつき「イスイスキ」となり、「イス」の挟母音「イ」が脱落した「ススキ」が転じて「スズキ」になったとする説。
5.鱗がすすけたような色をしていることから、「ススキ(煤き)」が転じて「スズキ」になったとする説。
『古事記』にはスズキの名が「須受岐(すしゅき)」として見られるため、「ススキ」の音から辿って間違いないであろう。
スズキの漢字「鱸」の「盧」は「こんろのように丸い」と解されているが、鱗の黒さから「黒い」の意味で魚偏に「盧」とされたと思われる。
漢字の成り立ちが「黒」に由来するとれば、和名「スズキ」の由来も「ススキ(煤き)」の転と考えて良さそうであるが、様々な語源説があることからも解るとおり、スズキに対する捉え方は共通しているものではないため、漢字の成り立ちを語源に考慮することはできない。