1.用言終止形/体言 + と思いきや…。
……意想不到……。……不料……。……那曾想……。……以为……。
虎口を脱したと思いきや追手はすぐうしろにいた。
彼は英国に5年住んでいたと聞いたので、英語がぺらぺらだと思いきや大したことはなかった。
その男は弱そうなので、勝つ見込みはないと思いきや、大男を投げ飛ばした。
検事だと聞いていたので、さぞ固い人だと思いきや、会って見ると、気さくで面白い人だった。
陳先生が作るテストだから難しいと思いきや、案外やさしかった。
2.動詞未然形 + ないではすまない。
不……不行……。
彼は食事のとき酒を飲まないではすまない。
相手に怪我をさせたのだから、謝らないではすまない。
私のミスでこんなことになってしまった。責任を取らないですまないと思う。
私はひとりっ子だから、両親の老後の面倒は私が見ないではすまない。
友達から借りたお金は返さないではすまない。
3.動詞連体形?体言 + なりに…。
……照……様。
私は私なりに努力したつもりだ。
私なりに真剣に考えて決めたことだ。
のんびりしていると言われるが、私なりに将来のことは考えている。
遊んでばかりいるように見えても、彼なりに努力はしている。
若者は若者なりに、大人は違った価値観で人生を真剣に考えているのだ。
4.体言 + に + ひきかえ…。
……正好相反……。 ……完全不同……。
兄はおとなしい、それにひきかえ弟はやんちゃだ。
昨日の天気にひきかえ、今日はひどい雨だ。
昨年にひきかえ、どうも物価が高い。
市長にもなった父親にひきかえ、息子は30歳になった今もぶらぶらしているだめな男だ。
コンピューター化されている自動車会社にひきかえ、自転車会社にはワープロさえない。
5.体言 + に + あるまじき…。
……不応該有的……。……不会有的……。……不相称的……。
タバコを吸うなんて、高校生にあるまじき行為だ。
業者から賄賂を受けるとは、役人にあるまじき行為だ。
欠けたお皿で料理を出すとは、高級料理店にあるまじきことだ。
患者の病状を他人にしゃべるなんて医者にあるまじき行為だ。
賄賂を受け取って取り引き業者に便宜をはかるとは、公務員にあるまじき行為だ。
6.体言 + を限りに…。
……极限……。只限于……。以……为限。
これを限りにこの仕事から手を引くつもりだ。
声を限りに母の名を呼んだ。
山で道に迷ってしまったようだ。声を限りに呼んでみたが誰も答えなかった。
主人も定年退職したのだから、田中専務にお歳暮を贈るのは今年を限りにしよう。
あんなに仲が良かったのに、卒業を限りに、電話もかけてくれない。
7.用言連用形 + てからというもの…。
自……之後……。
彼は大学に合格してからというもの、全然勉強しなくなった。
子どもが生まれてからというもの、昼寝をする暇もなくなった。
テレビゲームが普及してからというもの、子どもは外で遊ばなくなった。
漢方薬を飲み始めてからというもの、体調がいい。
先日ピンポンをしてからというもの、日ごろの運動不足がたたって体が痛くて仕方がない。
8.体言 + すら(ですら)…。
甚至……。连……。
彼女は自分の名前すら書けない。
息子は手紙はおろか電話すらかけてこない。
今ですらこうなのにこれから先どうなるのだろう。
子どもですらそれぐらいは知っている。
熱があって、起き上がることすらできない。
9.体言(数詞)からある。
足有……之多……。
1000万円からある借金を彼は5年で返してしまった。
彼は50キロからある石を軽々と持ち上げた。
ここから南京までは、30キロメートからある。
集会には、2000人からの人たちが集まった。
地区のバレーボール大会には、21からあるアマチュアチームが参加した。
10.体言(が)あっての + 体言…。
有了……(之后)……才能……。得到……(之后)……才能……。
私が今日こうして活躍できるのも先輩のご支援あってのことです。
日々の地道な努力あっての成功です。
豊かな水あっての稲作です。
読者あっての作家です。
今の安定した生活も若い時の苦労あってのものです。
11.体言 + を +皮切りに…。
……开始……。……初次……。
開会時を皮切りにいろいろな行事が行われる。
彼の発言を皮切りに議論が行われる。
彼の歌を皮切りに人々は次々と得意な芸をひろうした。
駅前の一等地に土地を買ったのを皮切りに、次々に土地を買い、不動産屋として成功した。
その事件を皮切りに、同じような事件が相ついで起こった。
12.用言連体形 + までだ(までのことだ)。
不过是……。只是……。……就算了。
分らないから聞いたまでで、別に他の意味はない。
失敗したら、会社を辞めるまでのことだ。
そんなに私が憎いなら絶交するまでだ。
社長である私の命令にしたがえないなら、君にはやめてもらうまでのことだ。
雨が降り始めたが、傘がないのだから、仕方がない。濡れていくまでだ。
13.体言 + にもまして…
胜过……。变得更……。
今年は去年にもまして天候が不順だった。
誰にもまして心を痛めている。
それにもまして肝腎なことはない。
無理をしたため彼の病気は前にもましてひどくなった。
結婚が決まった明子さんは前にもましてきれいになった。
14.動詞連体形 + に(は)あたらない。
不必……。用不着……。不值得……。
彼が何を言っても、驚くにあたらない。いつも夢みたいなことばかり考えているんだから。
一度ぐらい失敗したからといって、あきらめるのあたらない。いつかきっと成功する日が来る。
心配するにはあらたない。海南島は冬でも20度以上ある。
今度の試験が悪かったからといって悲観するにはあたらない。次の試験でがんばればいい。
失敗したからといって落胆するにはあたりません。最初は誰でもうまく行かないものです。
15.動詞未然形 + ないまでも…。
即使……。即使是……。
行かないまでも、電話でお礼ぐらいは言うべきだ。
次のテストでは満点は取れないまでも、90点以上はとりたい。
承諾は得られぬまでも話ぐらいは聞いてくれるだろう。
完璧とは言えないまでもかなりの水準に達している。
彼は独身主義者とは言わないまでも、今のところは結婚する気はないどうだ。
16.体言 + ときたら…。
说起……。提起……。
あの人ときたらいつもほらばかり吹いている。
うちの子ときたら、朝から晩までテレビゲームをしている。
父ときたら、毎晩遅くまで残業で、夕食はうちで食べことがない。
この雑誌ときたら、800円もするのに半分以上が宣伝、広告だ。
私の通っている日本語学校ときたら、コピー1枚で20円もとる。
17.体言 + でなくてなんだろう。
不是……又是什么呢?
桜は中日両国人民の深い友情を示すシンボルでなくてなんだろう。
彼が受け取ったお金は賄賂でなくてなんだろう。
広い家に優しい主人と可愛い子どもたち、これが幸せでなくてなんだろう。
彼女に対する気持ちが、愛でなくて何だろう。
最近、とても寂しい。これがホームシックでなくて何だろう。
18.動詞連体形 + そばから…。
刚……就……。随……随……。
彼は私が教えるそばから、忘れてしまう。
片付けるそばから子どもが散らかす。
洗濯するそばから、子どもが服をよごしてくるので、お母さんは一日中洗濯をしている。
春の雪は冬の雪と違って、降るそばからとけてしまって、積もらない。
この木の実は赤くなるそばから、鳥に食べられてしまう。
19.動詞連体形?体言 + の + きらいがある。
有……之嫌。有点……。
彼はいささか独り善がりのきらいがある。
君の考え方は綿密に過ぎる嫌いがある。
日本の会社は社員を採用する際、これまで学歴を重視するきらいがあった。
彼はまじめだが、あまりまじめすぎて、ユーモアに欠ける嫌いがある。
彼女は人の意見に影響されやすいきらいがある。
20.体言 + いかんで(では)?(によっては)?(いかんだ)
……如何……。……怎么样……。
理由のいかんによっては再考する。
成績が伸びるかどうかは本人の今後の努力いかんだ。
台風は今後の進路いかんでは、関東地方に上陸するかもしれない。
薬も飲み方いかんによっては、かえって健康を害することもある。
検査の結果いかんでは、手術するかもしれない。
21.体言 + であれ…体言 + であれ…。
……也好……也好……。无论是……还是……。
女王であれ、庶民であれ、同じ人間である。
男の子であれ、女の子であれ、家事はできたほうがよい。
親が医者であれ、政治家であれ、子どもの将来は子ども自身が決めるべきである。
男であれ女であれ、不況の今は就職することは難しい。
大根であれ人参であれ何でも食う。