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日语一级阅读测试6(有答案)



問題Ⅱ 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一 つ選びなさい。


重苦しいほど蒸し暑い晩だった。


空には星一つなく、海は不気味に静まりかえっている。


わたしはいつものように、後甲板の方へ歩いていった。後甲板には先客が一人いた。デッキの手すりにもたれ、その男はしきりに暗い海をのぞきこんでいる。


「今晩は」とわたしはこえをかけた。


振り返った男の顔は骸骨のように痩せ細っていた。眼が落ち窪み、顔色がひどく青白い。


「今晩は・・・」


男は低くしゃがれた声でそういうと、薄い唇をゆがめて笑った。


わたしは男の隣に歩み寄って、同じように暗い海を見つめた。海はいつでもわたしをもの哀しい気分にさせる。海の中にいる誰かが呼んでいるような・・・・・・


「いやな晩ですね」とわたしは言った。


①「そうですか・・・・・・」


男は骨ばった長い指で髪の毛をかきあげた。


「ぼくはこんな晩の方がすきなんですよ。なんとなく不気味で面白いじゃありませんか」


わたしは変わった男だなと思った。私が黙っていると、彼が問い掛けてきた。


「②この船に幽霊が出ると言う噂があるんですが、しっていますか?」


「幽霊?」


と私は聞き返した。


「ええ。やはりぼくたちみたいな客の一人が、自殺したことがあるんだそうです。こんあふうに重苦しくて、風のない晩だったといいますよ。その男はしばらく海を眺めていて、ふいに飛び込んだんです。ちょうどここから、今、ぼくらがこうしているところからね・・・・・・」


男は私の顔をのぞきこむようにして、にやりと笑った。


「あがった死体は、右の腕がなかったそうです。スクリュウに切り取られたのかもしれませんね」


二人は暗い海にほの白く泡だっているスクリュウのあとをしばらくみつめた。


「それで、その幽霊が出るんですね」


私の声は少し震えているような気がした。


「ええ、自分の失った右腕をさがしているのだという噂です。こういうふうにむしむしして、海が妙に静まり返った晩、③男が一人でその海を眺めてる。そして、しばらくするとふっと消えてしまうのです。」


男は自分自身をかき消すようなしぐさをした。


「なぜ、その男が自殺したのか知っていますか。」


と私は訊いた。


「(④)、何の原因もないのです。金に困っているわけでもなく、失恋したわけでもなかった・・・・・・」


眉をひそめ、男は遠いところを見る眼つきで海をみつめた。


「多分・・・・・・」といって男は口ごもった。


「多分、この海をみているうちに、なにもかもいやになったのでしょうね。そして、ひきずりこまれるように、飛び込んだのでしょう。ぼくには、その気持ちがわかるな。こうしていると、何もかも忘れて、この海の底でねむりたくなる。あなたは、そうおもいませんか?」


私も、海を見つめた。海は暗く、静かにわたしを呼びかけているように思えた。


(注1)骸骨のように痩せ細かった:非常に痩せた


(注2)私を呼びかけている:通常は「私に呼びかけている」


ここまで読んで、次の問1から問4に答えなさい




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