三匹の子豚
(イギリスの民話)
昔、おばあさんと三匹の小豚がいました。
ある時、おばあさんが小豚たちに言いました。
「この家にはもう食べる物がないよ。みんなここを出て、幸(しあわ)せをお捜(さが)し。」
そこで、三匹の小豚は、それぞれに家を出ました。
初めに家を出た小豚は、藁(わら)で家を造(つく)りました。
すると間もなく狼(おおかみ)がやってきました。
「小豚や小豚。わたしを家に入れておくれ。」
「いやだ、食べられちゃうもの。」と、小豚が言うと、狼は笑って言いました。
「藁の家なんか、ふっふーのふーとひとふきさ。」
そして、ふっふーのふーと藁の家を吹(ふ)き飛(と)ばして、小豚を食べてしまいました。
二番目に家を出た小豚は、木(き)の枝(えだ)で家を造りました。
すると、やはり狼がやってきて言いました。
「木の枝の家なんか、ふっふーのふーを二回さ。」
そして、ふっふーのふー、ふっふーのふーで 家を吹き飛ばして、小豚を食べてしまいました。
三番目に家を出た小豚は、煉瓦(れんが)で家を造りました。
煉瓦の家は、狼が何回ふっふーのふーと頑張(がんば)っても、吹き飛びません。
怒(おこ)った狼は、「覚(おぼ)えていろ。必ずおまえを食べてやる。」と言って、帰っていきました。
次の日、狼がやってきて、小豚に呼(よ)び掛(か)けました。
「美味(おい)しい蕪(かぶ)がなっている畑(はたけ)に行こうよ。」
「いいよ。何時に行くの?」
小豚が言うと、狼は、「六時だよ。」と答えました。そこで小豚は五時に畑に行って、蕪を全部取ってしまいました。
狼は悔(くや)しがって、また言いました。
「明日の四時に、りんごを取りに行こう。」
そこで 小豚は三時に行って、りんごを全部もいできました。
怒った狼は、小豚の家の屋根(やね)に登りました。煙突(えんとつ)から家の中に入ろうというのです。
小豚は、煙突の下で火(ひ)を燃(もや)して、大きな鍋(なべ)でお湯(ゆ)を沸(わ)かしました。
そして、狼が煙突から飛び込んできた時、鍋の蓋(ふた)を取ったのです。
狼は、お湯でぐつぐつと煮(に)られてしまいました。
[1] [2] [3] [4] 下一页 尾页