こう暑くては猫といえどもやり切れない、とぼやくのは漱石のあの有名な「吾輩(わがはい)」だ。皮を脱いで肉を脱いで、骨だけで涼みたい。せめてこの毛衣(けごろも)を洗い張りにしたい、など色々と並べる。団扇(うちわ)を使ってみたいが握ることができない――と愚痴るのは、おかしくもお気の毒である
这大热天就连猫也受不了---这样的牢骚出自夏目漱石那本有名的《吾辈》。还有诸如真想把皮脱掉,把肉脱掉,只留一副骨头乘凉。至少要把这身皮毛拆出来洗一次。等等不少牢骚之言。想拿扇子扇风,但连握扇的力气都没有了---这样的牢骚真是既可笑又可怜。
明治の猫も暑かったろうが平成の人間も暑い。この時期としては記録的な猛暑が各地で相次いだ。夏をつかさどる炎帝(えんてい)の顔見せ挨拶(あいさつ)だろうか。今年も手ごわそうで、九州南部はこれも記録的な早さで梅雨が明けた。そして節電の夏が始まった
明治时期的猫也好,平成时期的人也好,一样也会感到热。每年到这个时候,各地高温记录都会不断被刷新。这算是掌管夏季的炎帝给我们的见面礼吧。今年也不例外,九州南部也破纪录早地结束了梅雨季节。节电的夏天要开始了。
東京、東北電力管内できのう、「電力使用制限令」が発動された。企業など大口需要家に15%の節電を求める強制措置だ。語感が「戒厳令」や「灯火管制」に似ているからか、どこか夏を迎え撃つ気分になる
昨天东京电力公司、东北电力公司管领范围内,启动了《电力使用限制令》。这是要求用电大户的企业们节电15%的强制措施。语感有点像《戒严令》和《灯火管制》,总觉得一旦入夏就如临大敌一样。
家庭の15%は努力目標となる。早い話、大食いのエアコンを止めれば達成できる。だが心頭滅却の我慢は長続きしないし、体に良くない。ここは無理せず、こまかい節約を積んで贅肉(ぜいにく)を落としたい
至于家庭节电15%就作为努力目标争取实现。其实只要把耗电的空调关掉就能轻松达成了。但强忍炎热也不是长久之法,对身体也不好。我们就无谓强求,凭日常小节约的积累来达成目标吧。
「家の作りようは夏をむねとすべし」と書いたのは「徒然草」の兼好法師だった。耐え難いのは暑さ。冬の寒さは何とかなる、と。卓見が身に染むが、その高温多湿はまた様々な消夏法を生み出してもきた
“建房子首先就要考虑到如何度夏”兼好法师在《徒然草》中如此写道。最难以忍受的就是暑热,冬天的寒冷倒是有办法熬过。虽然人们对此卓见深有体会,但应对高温潮湿天气的种种消暑法却不断出现。
エアコンの剛腕に小さくなっていたそれら古いものが、相次ぎ復活の兆しだという。ぼやきたい暑さにも潤いはあろう。古きを温(たず)ねて涼を知る。「温故知涼」の新しい四文字を夏の座右に置くのもいい。
在空调机的强势之下逐渐式微的种种消暑古法,都相继出现复活的迹象。使尽是牢骚的暑热中尚存一分清润。炎夏怀古方知凉快。酷夏天把“温故知凉”这新的四字成语置于案头也不错呢。
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