朝日俳壇でよくお見かけする兵庫県の足立威宏さんに次の入選句がある。〈原発と直線距離の寒さかな〉。震災後の作ではない。4年前に金子兜太氏の選で一席になった。「ズバリ分かる言い方」が選者の評だ
朝日新闻《俳坛》栏目上的常客兵库县足立威宏先生有这样一句入选作。“与核电站的直线距离令人生寒”。这并不是东北大地震之后的作品。而且在4年前金子兜太的徘句精选中占有一席之地。“简单明了,直击要害”金子兜太作出了如此评价。
足立さんは地図上で、福井県の原発銀座にコンパスを刺して回してみた。すると自宅の辺りが半径50~60キロの弧の上にあった。山河に遮られて道路や鉄道では遠い所も、直線だと近い。「寒さ」は心胆の寒さでもある。震災の後、各地の原発との直線距離に、同じ寒さを思う人は少なくあるまい
足立先生在地图上以福井县核电站为圆心在东京银座之间用圆规划了一圈,发现自己的家原来的距离圆心50至60公里的圆弧上。虽然两地有山河遮隔,即使铁路来回都甚是费时,但是直线距离却如此之近。“生寒”也有心胆俱寒之意。大地震之后,同样为核电站与自身距离如此之近而心寒的人绝对不在少数。
佐賀県の玄海原発の運転再開をめぐって、海江田経産相が地元を訪れた。説明を受けて、県も玄海町も再稼働を容認する姿勢という。だが、原発との距離を案じる近隣自治体の人々は、どう聞いただろう。放射能は県や町の境界で止まってはくれない
经济产业大臣海江田为再次启动玄海核电站计划铺路,而到访佐贺县。虽说接受了江海田的说明后,县里和玄海镇均摆出姿态同意再次启动核电站。但对于终日忧心于核电站安全的邻近各县居民来说,这会是怎样一条消息?核辐射并不会止步于某县或某镇的边界上。
「安全性には国が責任を持つ」と大臣は言う。福島の事故による信頼失墜の自覚は、政府にないようだ。しかし知事は「安全性の確認はクリアできた」と応じた。少々物わかりが良すぎないか
江海田大臣说:“核电站的安全性由国家来保证”。福岛核事故过后的日本政府似乎还没意识到自己早已诚信扫地。但佐贺县知事却以“已经确认过核电站的安全性”来作出回应。这脑袋转速是否太快了点?
「お墨付き」の由来は、大名らが臣下に与えた領地保証の文書という。だがいまや、お上の保証は墨がかすれて頼りない。誰もが信ずべきものを見つけあぐねる中、拙速はさらなる不信を生もう
“押墨印”一词的语源,是古代大名给麾下臣子分封领地时立下的保证公文。但是如今上头所押的墨印实在沾墨太少,毫无公信力可言。老是不厌其烦地信誓旦旦作出承诺,这样拙劣的施政方针只会使群众产生不信任感。
〈原発の同心円に居て仰ぐおぼろの月のまどかなるかな〉。こちらは5月の歌壇に載った福島市の美原凍子さんの一首。18カ所の原発がある国に、18の同心円が、目には見えず同居している。
“在各个核电站同心圆内的居民,看待彼此时是否像仰望朦胧圆月一样呢”。这是5月朝日新闻《歌坛》栏目上刊载的福岛市美原冻子小姐的一首和歌。在一个拥有18座的核电站的国家里,有18个看不见的同心圆共存着。
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