▼作家の田辺聖子さん(83)は、玉音放送を一家で聴いた。「降伏したみたいなこと、いうてはる」と父。「フシが、なさけなさそうですなあ」と母が頷(うなず)く。大人の脱力ぶりに呆(あき)れ、17歳の軍国少女は一人、無念を日記にぶつけた(回想『欲しがりません勝つまでは』)。
小说家田边圣子女士(83岁),曾全家一起聆听过日本裕仁天皇宣布二战投降时的广播。她的父亲说:“好像说是已经投降了呢”。母亲边点头边说:“这一段听起来不太高兴啊”。当时年仅17岁的田边,充满了军国主义的“爱国”思想,她面对父母这种倦怠无力的反应很不能理解,在日记里发泄自己的不满和困惑。(据其自传《除了胜利别无所求》)
▼野坂昭如さん(80)はそれでも、終わったと感じた。もう空襲はないと思うだけで、体の芯がとろけるような安堵(あんど)を覚えたという。終戦の日、どこで何を思ったか、百人に百の話があった。
著名作家野坂昭如(80岁)则表示:当时就觉得战争终于结束了,只要一想到再也不会有空袭轰炸,整个人一下子松懈下来,不再感到胆战心惊。二战结束之日,身处何地作何感想,因人而异。
▼各人に語るべきものがある大震災も、時代を画す共通体験に違いない。すべきことが山とあるのは敗戦時と同じだが、私たちに高揚はない。虚脱の暇(いとま)もない。津波、原発にとどまらず、日本は複合的な不全の中にある。
对于今年3月发生的大地震,不同的人想倾诉的内容也各不相同,不过这次灾害可以看成是我们这个时代的一次大众共同体验。现在亟需处理的事情虽然也与二战战败时一样堆积如山,但我们的士气却很低落。当然现在也不是手足无措的时候。地震、海啸、核电站泄漏,日本现在正可谓多灾多难。
▼ひと声で動く世でもなし、堪え難きを堪え、忍び難きを忍び、不全の理由を一つずつ取り除いていくほかない。より生きやすい国を目ざして、まずは荒れ放題の政治と財政から手をつけたい。
天皇的一份诏书不再可以驱动整个世界。我们只能靠无比的忍耐力来克服一个又一个的困难。为了把日本建设成更宜居的国家,应该先从当下乱七八糟的政局和财政状况着手。
▼NHK放送博物館の「玉音盤」は窒素ガスの中で眠る。今に残る音源は、傷む前のレコード盤から占領軍が複製したものだ。米国は「多くの命を救った放送」に価値を認めた。生かされた人々は驚異の復興を成し遂げる。もう一度できないはずがない。
NHK广播博物馆内,灌录着投降宣告的那张唱片被保存在氮气中。现在保留下来的这一张唱片,是当年驻日本美军在原版唱片损坏前翻录下来的。美国方面认为这张唱片的播送“拯救了许多人的生命”,具有保存价值。二次大战的幸存者们完成了日本令人惊异的战后复兴。既然他们能办到,我们这一代人没有理由做不到。