▼体ひとつで暑気に耐えるしかなかった時代である。涼を感じるセンスしだいで、夏は楽にも苦にもなったろう。ひるがえって今、スイッチひとつで人工冷気が部屋に満ちる。ありがたいが、そのぶん人の五感は鈍りがちだ
▼那个时代只能靠自身忍耐酷暑。根据对凉爽感受程度的不同,渡过夏天既可以轻松也可以辛苦吧。反观当今,只要动动开关,人工冷气便充满整个房间。虽然非常感谢,但如此一来人们的五官感受就变得越发迟钝。
▼〈一匙(ひとさじ)のアイスクリムや蘇(よみがえ)る〉の一句が子規にある。時は移っても、一瞬の涼に生き返るような心地が、暑い夏の幸福感なのは変わらない。炎暑に縁取られてこそ「涼」の字は冴(さ)える
▼子规有一首作品是“一勺冰激凌,生命获重生”。虽然时光飞逝,但一瞬间的凉意让人仿佛死而复生的感觉依旧是盛夏时节方能体会的幸福。只有去除酷暑多余的装饰,“凉”字才能清凉可人。
▼そろそろ夏休みという人もおられよう。寅彦先生はこうも言う。「義理人情の着物を脱ぎすて、毀誉褒貶(きよほうへん)の圏外へ飛び出せば、この世は涼しいにちがいない」。処世の術を忘れ、「いい人」をやめて、風に吹かれるにかぎる。遠くを眺めながら。
▼想必有人会说马上就进入夏休了。寅彦先生说:“只要脱去义理人情的外套,跳出毁誉褒贬的是非圈,这个社会一定清凉无比”。忘却处世之道、放弃做个“好人”,清风拂面、眺望远处的生活是再好不过了。
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