昭和の終わりごろと記憶している。森繁久弥さんが日本記者クラブで講演し、帰り際にクラブのサイン帳に揮毫(きごう)した。署名に添えて一句があり、「鵜(う)は沈み鵜は浮き人は舟の上」という
记得那是昭和末年的时候,森繁久弥在日本记者俱乐部发表演讲,离开时他在俱乐部的签名册上挥毫。他在签名旁附有这样一句:“鵜沈鵜浮,人行舟上”。
俳優を鵜に、番組の制作者を鵜匠に例えたものらしい。時は移り、俳優さんも現在は意のままに使われるばかりでもなかろうが、テレビ番組の制作現場にはいまも別の形で「鵜」と「舟の上」の関係が生きつづけているようである
他似乎是将演员比作“鵜”(鱼鹰),把节目制作者比作“鵜匠”(饲养鱼鹰令其捕鱼的渔夫)。如今,时代不同了,演员并不全都可以由节目制作者自由支配吧,而在电视节目制作现场中,“鵜”和“舟上人”的关系却好像以另一种方式存在着。
納豆のダイエット効果を巡る番組の捏造(ねつぞう)問題で、関西テレビが総務省に報告書を提出した。捏造の原因は孫請けの制作会社にあり、偽りを見抜くのは困難だという。「舟の上」から「水の中」は見えません。そう言いたいのだろう
关于豆豉减肥功效节目捏造问题,関西电视台向总务省提交了报告。报告说,捏造的原因在于二次转包的制作商,因此,関西电视台难以看穿其伪造行为。人在“舟上”看不清“水中”。想说的是这个意思吧。
見えなければ社員を下請けや孫請けの制作現場に立ち会わせ、水中に目を凝らしてしかるべきである。獲物は「舟の上」、責任は「水の中」ならば、こんな楽な商売はない
倘若“看不清”,那么,理该下派职员到转包或再转包的制作现场,监督“水中”的所作所为。战利品归“舟上”所有,责任由“水中”承担,没有此等轻松的买卖。
関西テレビがフジテレビ系列で流している全国ネット番組のうち、問題の「発掘!あるある大事典2」は半年(2006年度上期)で推定30億円のCM収入があったといわれる。水中監視にかかる費用など、何ほどでもあるまいに
据说,在関西电视台通过富士电视系统播放的全国网络节目中,出乱子的《发掘!生活奥秘大事典Ⅱ》此项,半年(2006年度的前半期)的CM(项目承发包)収入估计有30億日元,然而,“水中”监督等费用,却没用多少吧。
菅総務相は孫請けに責任を転嫁した報告書を厳しく批判し、再報告を命じた。「舟の上」の言い分を鵜呑みにしないのは当然である。
菅総務大臣严厉地批评了関西电视台把责任转嫁给二次转包商的这份报告,并责令其再次提交报告。听取“舟上”的意见时,当然不可囫囵吞枣。