A:さっそくですが,御社の破約について説明してもらえませんか。
B:はい。説明させていただきます。実は,メーカーから,コストが高いため,大幅に値上げをしないと商売にならないと文句を言われたのですが。
A:価格のことでしたら,お互いに相談する余地があるのではないでしょうか。
B:いやあ,メーカーとしては高い値段で製品を売ろうとしているのに対して,御社はやすい値段で購入なさるおつもりですので,その間に挟まれている私どもが困ってしまうわけです。
A:うちはすでに各地の小売店と取引契約をしていますので,破約されると,違約金の支払いをさせられる破目(はめ)になるばかりでなく,当社の信用にもかかわるのです。
B:御社の苦情も十分承知しておりますけれども,こちらとしてもやむをえないことです。
A:何とかしていただけませんでしょうか。
B:さらに20%値上げしてくだされれば,やっていけるかもしれません。なんといっても,ベスト。テンに入っている製品ですからね。
A:20%ですか。ご冗談でしょう。それでは,全然商売できませんよ。
B:では,ほかにしかたがありませんね。
A:もし御社がどうしても破約されるなら,契約書に基づいて,先に手付金としてお送りした××万ドルの倍額の××万ドルを違約金として支払ってくださいますようお願いします。
B:よく分かりました。ご迷惑をおかけいたしまして,まことに申し訳ございません。では,契約書に基づいて,違約金をお支払いいたしましょう。