日:今日は××の委託加工貿易の件についてお話ししたいのですが、よろしくお願いします。
中:こちらこそ、よろしくお願いいたします。
日:こちらから、契約書によって原材料、工程書、サンプルなどを提供いたしますが、サンプル通りに製品を生産しえいただけるのですか。
中:わたしどもの工場には、最近輸入したトップレベルのプラントと生産技術を持っていますので、サンプル通りの製品を作ることには問題ないと思います。
日:それなら、安心です。
中:ところで、加工賃はどうなっているのか、お伺い(うかがい)したいと思いますが。
日:加工賃は一応御社の希望に応じて日本円で計算しますが、×××円にしたいのですが、如何でしょうか。
中:計算させていただきます。……うん、この加工賃ではうちが損をするばかりですね。
日:そんなことはないでしょう。昨年、お国の他の会社との場合もこの加工賃でしたから。
中:昨年は昨年のことですが、今年はご存じのとおり、人件費が20%ぐらい高くなりましたから、昨年の加工賃では損をしないではすまなくなります。
日:それなら、加工賃を15%高くしましょう。
中:15%ではだめだと思います。少なくとも20%ぐらい高くしていただかないと。
日:今度は大量加工ですから、15%でずいぶんとそちらの利益になると思うのですが。
中:いから大量加工といっても、人件費が20%高くなったのは事実です。このことをぜひお考えくださいますよう、お願い申し上げます。
日:では、加工賃をさらに3%高くして、つまり、合わせて18%高くしましょう。
中:18%ですか。
日:はい。コストも高くなっていますから、加工賃の値上げ率はそれ以上はもう考えられません。
中:わかりました。18%の値上げを受け入れます。
日:それから、トレードマークは当方提供の登録商標にしてください。
中:承知しました。
日:それでは、契約書の用意をお願いいたします。
中:はい。午後、契約書を用意しておきますので、明日の午前十時にサインに来ていただけませんでしょうか。
日:けっこうです。では、明日の午前十時にまたお会いします。