3.データの読み方
集計表のデータを読んでいく場合、それぞれの属性について横の%構成比の大小を比べることで特徴を見る(ex.男性で最も割合が高いのは(4)の選択肢である等)。次いで、選択肢の1つ1つについて、縦の%で属性間の特徴を見ていく(ex.各年代の%を縦に比べてみると30代の%が最も高い等)。この両方の見方から1つ1つの設問を読み込み、知りたい内容を把握していく。
4.母数
1つの属性の母数は最低でも100人以上である(男女別、年代別のデータを読む場合でも、男性と女性それぞれの母数が100人以上、20代~50代までいずれの年代も100人以上ということ)。分析の段階で加工されたデータは一人歩きすることが多い。報告書の段階では「60人中の25%」とわかっていても、オープンになった後はこの60人が割愛され 25%という数字だけがクローズアップされる。この場合、母数が100人以上であれば、25%という数字だけが取り上げられても100人中の25人ということで代表性を保つことができる。
「調査費用と報告書作成」
1.調査の外注費用
(1)定量調査
条件/首都圏で1000名の訪問留置調査を行った場合
(調査票の設計から集計分析まで含めて)500万円~700万円
(2)グループインタビュー
条件/首都圏で30代の主婦4グループ(各6人)に対して行った場合(調査企画から分析まで含めて)
1グループ40~70万円/4グループ合計で150~280万円程度
2.報告書作成のポイント
(1)報告書の備えるべき要件
調査の目的と問題点の所在調査を行った理由と調査課題を明記
調査概要具体的な研究計画、採用した調査方法、分析方法等の5W1Hを明記(定量調査であれば、調査対象者の属性、サンプリングの方法、調査期間、サンプル数、回収状況等)
調査結果得られたデータを、調査依頼者が知りたいと思っている事柄を論理的に凝縮した形でまとめる。たとえ当初の仮説を否定する結果が出たとしても、データを歪めずにありのままの情報を提供する
考察得られたデータについて報告者としての考察を行う
要約報告書全体の要約を必ず載せる
(2)報告書作成におけるポイント
「事実」としてデータから読み取れた部分と、それを土台にした報告者の主観を交えた「解釈」とは明確に区別する。
自分だけの知識経験だけから比較評価することは危険。
1ページ1テーマを原則とし、1行要点コメントを入れる。
感情的な表現は避け、客観的表現を心掛ける。
言葉で表現するよりも、図表を使って表現する。
図表の中のポイント部分は、○印や下線で強調する。
オープンデータに対しては、以下の点に十分注意する。
(1)時系列データは必ず3点以上でトレンドをみる。
(2)統計類の場合は、オリジナルデータレベルで入手する。
(3)オープンデータを利用した場合は必ず出典と発行年を記入する。
内容を補完できる関連データがあれば積極的に活用することで、データの客観性を高める。
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