〈利点〉個人の行動分析としては最も手の込んだ手法
〈欠点〉インタビュー分析に高度な専門技術が要求される
「調査票作成(定量調査における調査票作成のチェックポイント)」
1.フェイスシート作成のチェックポイント
(1)フェイスシートとは
市場調査の中で、一般世帯や個人を対象とする場合には必ずフェイスシートがつく。これは、調査回答者の基本的な属性を問う質問で、データを集計分析していく切り口となる重要な部分。
(2)個人調査のフェイス項目
性、年齢、学歴、職業、未既婚、家族構成、収入、住居形態
(3)世帯調査のフェイス項目
世帯主性別、世帯主年齢、世帯主職業、世帯員構成、世帯収入、主婦年齢、主婦職業
(4)フェイスシート作成のチェックポイント
〈記名式調査票〉のときには、名前、性別、年齢、住所、℡№記入欄を用意する(℡№は調査票チェックの際に使用できる)
〈無記名式の調査票〉で、収入や学歴など極めて個人的な部分を尋ねる場合は、フェイスシートは一番最後におく
〈未既婚〉については、離死別者がいずれに含まれるのかを明記する
2.調査対象者に対する依頼状作成のポイント
定量定性調査を問わず、調査対象者に対して依頼状を作成する際には、以下の点を明確にする必要がある。
(1)調査の趣旨、目的
(2)調査主体がどんな機関であるか
(3)どうして調査対象者が選ばれたのか
(4)調査票が回収された後、それがどのように扱われるか
(5)調査対象者にとって不利益がないこと
(6)締切の日時、集合日時、訪問日時(目立つように大きく)
(7)不明点の問い合わせ先
3.調査票作成のチェックポイント
(1)1つの質問で2つ以上の質問項目を入れない
ex.あなたは、ブランデーの味や香りはよいと思いますか
(味は良いが香りは嫌いという人は答えられない)
(2)1つの選択肢の中に2つ以上の意味を入れない
ex.お中元にもらって嬉しいものを1つだけ選んで○を
1.海苔や缶詰 2.石鹸セット
(3)質問文そのものに評価基準を含ませない
ex.あなたは夕食を店屋物で済ませてしまうことがありますか。
(済ませてしまうという表現は手抜きという評価を含む)
(4)回答が単数回答なのか、複数回答なのかを明記する
(これがないといくつでも回答していいのか、1つだけなのか不明)
(5)複数回答の場合は「その他」を設ける
(「その他」という選択肢を設けておかないと、無回答か回答もれか該当項目なしなのかがわからない)
(6)金額の範囲については境界に注意する
ex.1ヶ月の食費(外食費を除く)はいくらですか
1.10,000円以下 2.10,000~20,000
(ちょうど10,000円の人はどちらに○をつけていいのか不明)
(7)事実をとらえる質問は先に聞き、意見を聞く質問は後にまわす
(この逆だと、先に答えた意見にしばられて事実が曲げられやすい)
(8)1つの質問の中で、選択肢は10個~15個以内が望ましい
(回答の選択肢はできるだけ少なく)
(9)必ずレテストを行う
(社内の人間や家族などに回答者となってもらい、答えにくい箇所、ワーティングのミス、質問量等をチェックする)
(10)この調査から得たい情報は明確となっているか。また、作成した調査票からその情報を得ることができるかを確認する
(11)調査項目を思いつくままに何もかも盛り込んではいないか
(12)回答の選択肢番号は正しいか
(選択肢番号にダブリがあると正しい集計が不能となる)
(13)文字は小さすぎないか
(特に高齢者も対象に含まれている場合)
(14)必要なフェイスシート(基本属性)項目に欠け落ちはないか
「調査データの見方」
1.データの分析
質問の選択肢ごとの単純な集計は、GT(Grand Total)と呼ばれる。集計にあたっては、男女別、年代別、職業別などの属性間クロス、質問同士をかけあわせる質問間クロスによってデータを分析していく。
2.特徴
集計計画の際には何別に特徴をみたいのかを考え、“何”の部分を表側にたてる(男女別の違いを見たい、年代別の特徴を見たい等)。このデータは通常は横%で表示される。
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