本文:
李
日本に来てもう一年になるんですが、日本人は本当に何を考えているのか今でもよく分からないんで、困っています。この間、協力して欲しいことがあって相談すると、「考えさせてください」というので、期待しているんですが、まだ、あんなの返事もないんですよ。
田中
それはそうですよ。「考えさせてください」という表現は、つまり「イー」という意味なんですから、王さんも同じような経験がありますか。
王
ええ。初めて日本に来たときに、日本の友達が「今度、私の家に遊びに来てね。」っていったんです。それで、「いつ行けばいいの」と言ったら、すごく困った顔しているの。どうしてなのか後で先輩に聞いたら、日本人は人を家によぶつもりがなくなても「今度、遊びに来てね。」というらしいのよね。
田中
「今度、遊びに来てください。」というのは、ほんとうに来てくれというのではなくて、あいさつのひとつなんですよ。たとえば、朝、人に会うと、「おはよう、どちらまで」「はい、ちょっとそこまで」といった会話をします。これだて、どこに行くのかを知りたいわけじゃなけて、そんな会話のやりとりがあいさつになっているんです。こういう言い方が誤解を生む原因になっているでしょうね。
李
中国にも、「お出かけですか」「ええ、ちょっとそこまで」という、同じような表現があります。同じアジアの国だからでしょうか。アメリカではイエスとノーをはっきり表わすそうですが、わはしは、こういったやわらかい表現のほうがレベルの高いコミュニケーションだと思うんですがね。
田中
日本語は、相手のことを思いやって間接的に回りくどい表現になるわけですが、ストレートにいうよりは、相手にあまり衝撃を与えないですむ良さもあるわけですよ。日本の気候、風土、文化など背景が、言葉や表現の仕方に影響を与えているんですね。
ファンクション用語(功能用语):
例証
李 日本人のあいさつには、天気の言葉がたくさんありますね。例えば、「いいお天気ですね」とく、よく言うでしょう。
王 そうですね、天気の言葉を例に取ると、中国語にもよく出てきますね。
李 強いて言えば、あいさつの言葉も文化の一面を表していますね。
王 そうですね、例を挙げれば、いろいろありますね。
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