本文:
(「ポンポン」や「にこにこ」ということばについて、正雄君と恵子さんが話し会っています。)
正雄
「ポンポンと手をたたく。」って言うだろう。なんだと思う、「ポンポン」って。
恵子
音がしたことでしょう。「はさみでチョッキンチョッキン」って言うのも、同じだわ。
正雄
そうだね。「カーンとホームラン。」とも言うね。ほかに、どんあ言い方があるかな。
恵子
「パラパラ雨が降る。」「トントン戸をたたく。」たくさんあるわ。
正雄
「パラパラ」「トントン」ね。「ガヤガヤ」「パタパタ」というのもあるね。
恵子
正雄さん、「パタパタ」とか「ガヤガヤ」とか、くり返すことばが多いわね。
正雄
ほんとうだ。ほかに、もっとあるかな。
恵子
ええと、「ザーザー雨が降る。」「にこにこ笑う。」これもくり返しよ。
正雄
ちょっと待って。「ザーザー」「にこにこ」------。両方ともくり返しには違いないけれど、違うよ。
恵子
どうして。
正雄
「ザーザー」や「ポンポン」は音だけれど、「にこにこ」なんていう音はないもの。
恵子
そうね。「くねくね曲がる。」「ざらざらした紙。」なんかも。音じゃないわ。音でないものは、なんと言えばいいのかしら。
正雄
何の様子だろう。
恵子
そう、様子を表わすことばね。そうすると、音を表わすことばと、様子を表わすことばがあるのね。
正雄
恵子さん、さっき「ざらざらした紙」っ言ったけれど、「すべすべした紙」というのも、紙の様子だろう。
恵子
そうね。紙の様子でも、ずいぶん違うわね。
正雄
指でさわった感じが違うんだよう。
恵子
音を表わすことばでも、同じようなことがあるかしら。
正雄
そだなあ。
恵子
あ、これはどう。「トントン戸をたたく」と「ドンドン戸をたたく」、ずいぶん感じが違うでしょう。
正雄
うん、弱くたたく音と、強くたたく音の違いだね。
[1] [2] [3] 下一页 尾页