人に何かを提案するとき、どう言いますか?
基礎編
自宅で。
夫:ただいま。
アンナ:あ、お帰りなさい。
サラ:お帰りなさい。
夫:お盆の代休、とれたぞ、月末に。
アンナ:ほんと?やったあ!サラ、海に行けるよ。
サラ:わあい。
夫:例のでいいな。
先着10番様、一泊7000円っていうやつで。
アンナ:もっちろん!
夫:じゃあ、とるぞ。
アンナ:あ、でもお母さんに先に聞いてみたほうがいいと思うけど、どう?
夫:いいって、いいって。大丈夫だよ。
重要表現
(1)先に聞いてみたほうがいいと思うけど、
(2)どう?
(1)は親しい人に自分の考えを提案するときに、少し遠慮して言う表現です。「(動詞の過去の形)+ほうがいい」は、そうすることがもっといいということで、「と思うけど」は「自分はそう考えますが」の意味で、柔らかく提案するときの言い方です。
(2)「どうですか」を省略した口語の表現です。何かを提案した後に、相手の反応を聞く表現で、相手の気持ちを大切にしたいことを表します。
ポイント
目上の人や関係の遠い人にもっと丁寧に何かを提案するときの表現を覚えましよう
応用編
公民館で自治会。9月の秋祭りの相談。
自治会の人(太田):今年は何する?
自治会の人(山本):去年は地元の歌のお兄さん、呼んだよね。
太田:そうそう。あれ、にぎやかでよかったけど、自分たちで
なんかやったっていう気がしなかったわね。
アンナ:あの、こういうのはどうでしょうか。
みんなでフリーマーケットを開くとか…。
太田:フリーマーケット?
アンナ:はい。うちの不用品とか、もらって使わないものとか持ち寄って売るんです。そうすれば、そのお金は自治会のものになりますし。
山本:いいねえ。うちもさ、引き出物とか、内祝いとか、
けっこうたまってるんだよね。
重要表現
(1)こういうのはどうでしょうか。
(2)みんなでフリーマーケットを開くとか…。
(1)何かを提案するとき、提案する前に「これから提案します」ということを伝え、他の人に聞く準備をしてもらうための表現です。
こう言うと、いきなり提案するより、丁寧に聞こえます。
(2)「みんなでフリーマーケットを開く」は、皆で集まって、その時だけ路上や開けた場所で品物を売ること。「~とか」は提案が一つの例であることを示して、他の人の提案も聞く用意があることを表し、遠慮しながら提案する言い方です。
コラム
[盆]
盆は、もともと先祖を大切にするための仏教の行事です。一般的には8月13日から16日までの期間に行われますが、地域によっては一か月早く行われます。最近では、働く人がこの期間に夏休みを取ってふるさとへ帰ることを「盆」と呼ぶこともあります。この期間の前後は、「帰省ラッシュ」といって、ふるさとと都会を往復するための乗り物や道路がかなり混みます。「盆」はサンスクリット語の「ウラバンナ」の音からできた「盂蘭盆会」を略した言葉で、先祖を大切にすることを説いた教えから始まったようです。
盆の行事は、地方や家庭によって違いますが、次のようなものがあります。
「迎え火.送り火」13日の夕方、玄関や庭で火をたいて、先祖の霊が迷わないように迎えることを「迎え火」と言います。16日の夜、帰る霊を送るためにたく火を「送り火」と言います。
「盆棚」地方によって違いますが、13日の朝、先祖の霊が来て帰るときの乗り物として、仏壇にきゅうりやなすで作った牛や馬を供えます。そのほか、水、花、果物、お菓子、線香などを供えます。
「墓参り」盆の前や盆の間、お墓を掃除して、お参りします。
「盆踊り」もともと先祖の霊を慰めるために踊るものですが、生きている者が地域社会で楽しむための踊りでもあります。