人に自分の希望を伝えるとき、どう言いますか?
基礎編
自宅の居間で。
配達の人:こんばんはー。小野さーん、宅配便です。
アンナ:はーい。
しゅうとめ:(電話で)うん、そうね、わかるわ…。
配達の人:小野さーん。
アンナ:あの、お母さん、すいませんが、受け取ってもらえたら
助かるんですが...。
しゅうとめ:は?
アンナ:玄関、荷物が来たみたいんです。
しゅうとめ:あ、わかったわ。
重要表現
受け取ってもらえたら助かるんですが…。
相手に希望を伝えるときに遠慮しながら伝える表現です。
「受け取ってもらえたら」は「受け取ってもらえ」(「受け取ってもらう」の可能の形)+「たら」(条件を表す)で、「助かる」は相手がしてくれることがうれしいということです。「んですが…。」は人に何かを頼んだり、答えを期待するときの柔らかい表現です。
ポイント----目上の人や関係の遠い人などに、さらに丁寧に自分の希望を伝えるときの表現を覚えましょう。
応用編
パート先で。
アンナ:おはようございまう。暑くなりましたね。
店長:おはよう!ほんとに暑くなったねえ。
アンナ:あ、佐藤さん、今日もまだお休みですか?
店長:そ。風邪こじらせちゃったんだって。
当分出られないかもしれないね。
アンナ:あの、あたし、佐藤さんが良くなるまで朝来ましょうか?
店長:えっ、そんなことできるの?
アンナ:はい、何とかします。ただ、できれば週末は休ませていただけたら
ありがたいんですが…。
店長:そりゃ、もちろん!助かるなあ。
重要表現
(1)できれば
(2)週末は休ませていただけたらありがたいんですが…。
目上の人や関係の遠い人などに自分の希望を伝えるとき、失礼にならないように丁寧に言う表現です。
(1)「できれば」は「できれ」(可能を表す「できる」の仮定の形)+「ば」(条件を表す)で、相手に対する遠慮や配慮を表します。
(2)「休ませていただけたらありがたい」は「休ませて」(「休む」の使役の形のテ形)+「いただけ」(「もらう」の敬語表現「いただく」の可能の形「いただけ」)+「たら」(条件を表す)+「ありがたい」で、丁寧に「休みたい」ということを伝える表現です。
「んですが…」は相手の反応を待つときの丁寧な文の終わり方です。
コラム
年に2回、日ごろお世話になっている人へ感謝の気持ちを込めて贈り物をする特別な時期があります。その贈り物は「御中元」「御歳暮」と呼ばれていて、上司、習い事の先生、取り引き先、主治医、両親や親戚などに贈られます。毎年七月はじめから15日ごろ(地域によっては8月はじめから15日ごろ)に贈るのが「御中元」で、12月はじめから20日ごろまでに贈るのが「御歳暮」です。盆と正月に祖先の霊を迎えて供え物をした昔からの習慣が現在のような形にたったと言われています。
デパートでは、6月から7月、11月から12月には「御中元」、「御歳暮」の特別コーナーが作られます。本来は贈り物を持っていって直接渡すものですが、忙しい時期に訪ねると迷惑になったり、相手が遠くに住んでいたりするために、最近ではデパートなどから送ってもらうことが多くなりました。デパートなどから送ってもらう場合、贈り物が届く前に、いくつお世話になっていることを感謝するあいさつと、贈り物を送った事を知らせる手紙を出せば、より丁寧でしょう。
「御中元」、「御歳暮」の金額は一般的には3000円から5000円と言われています。最近の傾向では、「もらってうれしいもの」のベスト3は、1、商品券.ギフト券、2、ビール、酒、ジュース類、3、産地から直接送る特産品ですが、「贈りたいもの」のベスト3は1.ビール、酒、ジュース類、2、ハム.ソーセージ.乳製品類、3、食用油です。「もらってうれしいもの」と「贈りたいもの」が一致しないのは、商品券では金額がはっきりわかるので失礼だ、と考える人が多いからのようです。