人を優しくいたわりたいとき、どう言いますか?
基礎編
カラオケボックスで。
夫の同僚:すいません、ほんとに。
せっかくのお休みにおじゃまして。
アンナ:いえ、いいんです。今日はサラ、おばあちゃんとお出かけ
ですからちょうどよかったです。
夫の同僚:おとといも小野さんに遅くまで付き合ってもらって…。
アンナ:いえいえ。
夫の同僚:今度はうまくいくと思ってたんです。新婚旅行はハワイかな、なんて。
アンナ:そうだったんですか。
夫の同僚:だめなんです、ぼく。何回見合いしても、結局断られて…。
アンナ:そんな。気を落とさないでください。さ、歌ってください!
夫の同僚:はい!
重要表現
気を落とさないでください。
がっかりしている人を慰める表現です。「気を落とさないで」{「気を落とす」(がっかりする)の否定の形のテ形}+「ください」(相手に頼むときの表現)で、相手の気持ちをいたわります。
ポイント----目上の人や関係の遠い人などの体をいたわる表現を覚えましょう。
応用編
病院の受付で。
アンナ:先生!
茶道の先生:あら、アンナさん。どうしたの?
アンナ:子どもがアレルギーで。
先生はどうなさったんですか?
茶道の先生:ええ、ちょっと血圧が高くてね。
フラフラするから…。
アンナ:そうですか。それは大変ですね。
茶道の先生:ほんと、年には勝てないわ。
受付:沢さーん。
茶道の先生:はーい。じゃ、お先に。
アンナ:お大事になさってください、先生。
茶道の先生:どうも。
重要表現:お大事になさってください。
目上の人や関係の遠い人が、体の調子が悪いときや病気をして良くなったばかりのときなどに、相手の体をいたわる表現です。
「お大事になさって」は、尊敬語の「お」+「大事にする」の敬語表現「大事になさる」のテ形で、相手に体を大切にしてほしいという気持ちを伝えます。
コラム
「夏至.冬至」
一年のうちで昼が最も長くて夜が最も短い日を、「夏至」と呼んでいます。年によって違いますが、たいてい6月21~23日の間の1日です。また、夜が最も長くて昼が最も短い日を「冬至」と呼んでいます。冬至はたいてい12月21~23日の間の1日です。
夏至と冬至の日には、それぞれ家庭でよく行うことがあります。夏至の日には、冬瓜の料理をたべます。冬瓜には、尿を出やすくし、体を冷やす効果があり、食べると体が軽くなり健康になると言われています。夏に向かう季節にぴったりの食べ物なのですね。
一方、「冬至にかぼちゃを食べ、ゆず湯(ゆずを入れたお風呂)に入ると風邪をひかない」と言われ、冬至の日には、かぼちゃの料理を食べ、ゆず湯に入ります。かぼちゃを食べる習慣は江戸時代から始まったと言われています。江戸時代は冬に野菜が少なかったため、保存ができてカロテンが多いかぼちゃを食べると、風邪をひきにくいことを経験から学んでいたようです。
また、ゆずには、血行をよく体を温める作用があります。冬至にゆず湯に入るようになったのは、「冬至(とうじ)」が、湯に入って病気を治す意味の「湯治(とうじ)」と同じ発音だったことと、「ゆず」に「融通(ゆうずう)が利く」(この場合は「生活に困らないこと」の意味)という願いが込められたからだと言われています。