分からないことがあったとき、どう聞きますか?
基礎編 自宅の居間で。アンナが夫や子どもといる家にしゅうとめが帰ってくる。
アンナ:あ、お帰りなさい
しゅうとめ:ただいま。はい、お土産。
アンナ:わあ、どうも。桜もち!春ですねえ!
しゅうとめ:おいしそうでしょ?これ、お願い。
アンナ:あの、これはどうすればいいですか?
しゅうとめ:あ、わらびね...。いいわ、あたしが後でやるわ。
アンナ:そうですか?すいません。今、お茶入れますね。
しゅうとめ:そお?じゃ、先に着替えてくるわね。
重要表現: (1)あの
(2)これはどうすればいいですか?
わからないことがあったとき、相手に遠慮しながら尋ねる表現です。
(1)分からないことを聞くとき、遠慮しながら質問する合図です。
(2)何かのやり方や処理の方法がわからないときにこのように質問します。
ボイント----目上の人、まだは関係の遠い人などに、分からないことをもっと
丁寧に聞くときの表現を覚えましょう。
応用編 パート先の厨房で。店長、「新メニューはじめました」と書かれた紙を出す。
店長:小野さん、ちょっと。これ今日からメニューに入れるから、よろしく。
アンナ:あ、そうなんですか。はい。
店長:これ、ごはんの型。ごはんはここ。
はんぺんはこれで模様をつけて。煮物はあっちの鍋。
アンナ:あの、ちょっと教えていただけたらありがたいんですか、これはどうすればいいでしょうか?
店長:あれ?知らない?じゃあ、ちょっと見てて。
(ーー店長、焼き印を押してみせる)
アンナ:わあ、すごい!やってみます!
重要表現 :(1)あの、ちょっと教えていただけたらありがたいんですか、
(2)これはどうすればいいでしょうか?
目上の人などに、自分のわからないことを教えてもらうときに、丁寧に聞く表現です。相手の時間をとることや相手の邪魔をすることに対して遠慮や申し訳ないという気持ちを表す言い方です。
(1)「教えていただけたら」は、「教えていただけ」(「教えてもらう」の 謙譲語「教えていただく」の可能形)+「たら」(条件を表す)で、「あり がたい」はうれしいということです。
「たら」は、前の分の条件が成立すると、後の分が成立することを表します。
「んですが」は、人に何かを頼んだり質問したりして答えを期待するときの柔
らかい表現です。
(2)「いいでしょうか?」は、「いいですか?」の丁寧な表現です。
コラム
日本には、春、夏、秋、冬、それぞれの季節の自然を衣食住に取り込んで、季節感を大切にする文化があります。なかでも「食」に季節感を持たせることは、四季の変化がはっきりしている日本の文化の特色といえます。
しかし、最近では野菜や果物の輸入が増えたり、栽培技術が進歩したりしたために、「旬」を味わうという感覚がしだいに薄れてきました。以前はトマトやきゅうりといえば、真夏の代表する野菜でしたが、今では一年中スーパーの棚に並んでいます。
こんな食文化の変化をよそに、しっかりと季節感を重んじているのが和菓子の世界です。和菓子には、今でも四季折々の植物、生き物、季節の色などが取り込まれています。たとえば、春は桜の花の色をした桜まち、蝶をかたどった干菓子、菜の花の黄色をイメージしたアメ細工。初夏になると、清流をかたどった水色の羊羹、鮎の形の生菓子なとが菓子店の店頭でみられます。ぜひ近くの和菓子屋さんの店先をのぞいてみてください。季節の楽しいお菓子がいっぽいです!