「あ、う、うん……。」
ぼくが作ったわけではなかったから本当のことを話そうと思ったが、本当のことが言えなかった。
「あら、小包が来てるじゃない」
とママがダンボールを開けた。
“啊,嗯,嗯……”,我想说其实这不是我做的,但是没法开口说真话。
妈妈打开纸箱说:“啊,不是来了邮包吗?”
「おー、親父の形見のちゃわんだ。これはな、親父が子どものころ使ってたちゃわんなんだ。あのころは戦争で物がなくて、親父の家も、米なんか、ほとんど口にできなかった。いもがゆを水でのばした、しゃぶしゃぶのやつや、すいとんばかりだったそうだ。育ちざかりの親父は、腹をすかして、明日は、ちゃわんいっぱいのごはんが食べられるようにと、毎日ちゃわんに手を合わせていたそうだ。空しゅうで、家が焼かれたときも、親父は、このちゃわんだけを持って防空ごうににげた。おふくろが死んだあと、かたづけをしていたとき、おしいれのおくからこのちゃわんが出てきたんだ。おふくろをなくしてしょげていた、子どもだったオレをよんで、戦争の話をしてくれた。このちゃわんがあれば食うに困らんぞ、と言って、親父は笑っていた。なつかしいなー。」
“哦,这是我老爸遗物的那个饭碗呀。这个呢,是他小的时候用过的饭碗。那时候在打仗,什么都没有,家里面的米根本填不饱肚子,所以都用水把白薯粥冲淡,再加上一点能泡饭的小菜,每天就一团疙瘩汤。正在长身体的老爸肚子饿了,为了在第二天能够吃到一碗饭,每天都用手捧着那个饭碗。被空袭毁掉家的时候,他就只带了这个碗去防空洞。奶奶去世后,他在整理东西时发现了抽屉中的碗。那时他失去了你奶奶,很无精打采,把还是孩子的我叫过去,给我讲战争里的事情。老爷子会笑着说,有了这个饭碗的话就不会挨饿了。真是让人怀念啊~”
「どうしてそのちゃわん、送ってきたの?」
とぼくは聞いた。
「親父の実家が古くなってもう建てかえるそうで、この前、くらだしをすると、ほうじのときに言っていたから、例の親父のちゃわんがあったら捨てずに送ってくれとたのんどいたんだ。」
ママは「まあ、そうなの。」と言っていた。ぼくは『そうか』と思った。
(おじいちゃん……。)
おじいちゃんの『ねがい』がかなったんだ。
我问道,“为什么会送来这个饭碗啊?”
“老爷子的老家好像很旧所以就翻修了,之前清理仓库的时候吩咐过,老爷子那个饭碗如果找到了,不要扔掉它,送过来。”
“嗯,是这样的”,妈妈说。我仿佛明白了点什么。
“爷爷……”
爷爷的愿望,实现了。
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