本文:
李 :山本さん、どちらへ行きますか。
山本:あ、図書館です。本を返しに行きます。
李 :どんな本ですか。
山本:「言葉と文化」という本です。
李 :どんなことが書かれていますか。
山本:日本人らしい発想という視点から日本語と日本文化とのかかわりが書かれています。
李 :おもしろいですか。
山本:ええ、李さんも読んでみたらどうですか。とてもいい本だといわれていますよ。
李 :そうですか。じゃ、私も明日、図書館へ行って借りて読みましょう。
山本:よかったら貸しますけど。
李 :あ、どうもありがとうございます。でも、やっぱり自分で借ります。ゆっくり読みたいですから。
山本:また、読書感想文かなんかですか。
李 :ええ、今、適当な本を探しているところです。
山本:そうですか。授業に出ながら、読書感想文を書くのは大変でしょう。
李 :ええ。でも、かえって、そのほうが刺激になっていいみたいですね。
山本:そうですか。じゃ、がんばってください。
李 :はい、がんばります。
(翌日、図書館で)
李 :すみません、ちょっとお願いします。
係 :はい、何ですか。
李 :日本語の本を借りたいんですが。
係 :どんな本ですか。
李 :「言葉と文化」という本ですが。
係 :三番の棚を見てください。
李 :はい、ありがとうございます。三番の棚には、どんな本がありますか。
係 :語学の本もあれば、文化や文学の本もあります。
李 :そうですか。さがしてみます。あ、ありました。お願いします。この本を貸してください。
係 :はい、学生証は持っていますか。
李 :はい、あります。
係 :では、カードに書いてください。
李 :どう書きますか、教えてください。
係 :まず左の線に日付を書いてください。それから右の線にあなたのサインをしてください。
李 :はい、これでいいですか。
係 :ちょっと見せてください。はい、これでけっこうです。
李 :何冊まで借りられますか。
係 :一人五冊です。
李 :じゃ、あと四冊借りられますね。何日まで借りられるんですか。
係 :貸出期間は二週間です。再来週の金曜日までに返してください。
李 :はい、わかりました。金曜日までに返します。
係 :きたなくしないように気をつけてください。
李 :はい、わかりました。ほかにどんなものが借りられますか。
係 :ビデオテープは二巻まで借りることができます。カセットテープは五巻まで借りられます。
李 :どうもありがとうございました。では、失礼します。
(教室で)
王 :李さん。
李 :あ、王さん、何ですか。
王 :今度、私も読書感想文を発表したいと思っています。それで、何かいい本を教えてほしいんですが。
李 :そうですね。…この本はどうですか。「言葉と文化」という本ですけど。
王 :どこから借りてきたんですか。
李 :図書館から借りてきたんです。読んでみませんか。
王 :はい、ぜひ。
李 :じゃ、持って行ってください。
王 :どうも、いつまで借りられますか。
李 :あ、読み終わったらすぐ返してください。
王 :じゃ、四、五日で返しますから。
(数日後)
王 :李さん、これ、どうもありがとうございました。
李 :やあ、もう読んでしまいましたか。
王 :いいえ、まだ読み終わっていないんですけど、あまり長くなるといけないので返します。
李 :ああ、そうですか。難しいんですか。
王 :ええ、日本人らしい発想って、私たちには理解しにくいみたいですね。
李 :ああ、そうかもしれませんね。ところで、王さんは語学よりも文学のほうが好きだと聞いていますが。
王 :ええ。
李 :愛読書は何ですか。
王 :好きな小説はいっぱいあって、どれって言えないんですけどね。そうですね。漱石の作品が好きですね。
李 :漱石って?
王 :日本の明治時代の有名な作家夏目漱石ですよ。
李 :そうですが。あのう、どんな作品が有名ですか。
王 :例えばこの「我輩は猫である」とか。
李 :おもしろい題名ですね。もう読み終わりましたか。
王 :いいえ、今読んでいるところです。
李 :読み終わったらちょっと貸してください。
王 :あ、これ、友達のです。
李 :あ、そうですか、じゃ、けっこうです。
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