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鲁迅《阿Q正传》(日汉对照)(十三)

作者:佚名  来源:weilan.com.cn   更新:2015-4-10 21:04:03  点击:  切换到繁體中文

 

それはそうと二人は人のことなど耳にも入らなかった。阿Qが三歩進むと小Dは三歩|退(しりぞ)き、遂に二人とも突立った。小Dが三歩進むと阿Qは三歩退き、遂にまた二人とも突立った。およそ半時間……未荘には時計がないからハッキリしたことは言えない。あるいは二十分かもしれない……彼等の頭はいずれも埃がかかって、額の上には汗が流れていた。そうして阿Qが手を放した間際に小Dも手を放した。同じ時に立上って同じ時に身を引いてどちらも人ごみの中に入った。


「覚えていろ、馬鹿野郎」阿Qは言った。


「馬鹿野郎、覚えていろ」小Dもまた振向いて言った。


この一幕(ひとまく)の「竜虎図」は全く勝敗がないと言っていいくらいのものだが、見物人は満足したかしらん、誰(たれ)も何とも批評するものもない。そうして阿Qは依然として仕事に頼まれなかった。


然而他们都不听。阿Q进三步,小D便退三步,都站着;小D进三步,阿Q便退三步,又都站着。大约半点钟,——未庄少有自鸣钟,所以很难说,或者二十分, ——他们的头发里便都冒烟,额上便都流汗,阿Q的手放松了,在同一瞬间,小D的手也正放松了,同时直起,同时退开,都挤出人丛去。


“记着罢,妈妈的……”阿Q回过头去说。


“妈妈的,记着罢……”小D也回过头来说。


这一场“龙虎斗”似乎并无胜败,也不知道看的人可满足,都没有发什么议论,而阿Q却仍然没有人来叫他做短工。


ある日非常に暖かで風がそよそよと吹いてだいぶ夏らしくなって来たが、阿Qはかえって寒さを感じた。しかしこれにはいろいろのわけがある。第一腹が耗(へ)って蒲団も帽子も上衣(うわぎ)もないのだ。今度棉入れを売ってしまうと、褌子(ズボン)は残っているが、こればかりは脱ぐわけには行(ゆ)かない。破れ袷が一枚あるが、これも人にやれば鞋底の資料になっても、決してお金にはならない。彼は往来でお金を拾う予定で、とうから心掛けていたが、まだめっからない。家の中を見廻したところで何一つない。彼は遂におもてへ出て食を求めた。


有一日很温和,微风拂拂的颇有些夏意了,阿Q却觉得寒冷起来,但这还可担当,第一倒是肚子饿。棉被,毡帽,布衫,早已没有了,其次就卖了棉袄;现在有裤子,却万不可脱的;有破夹袄,又除了送人做鞋底之外,决定卖不出钱。他早想在路上拾得一注钱,但至今还没有见;他想在自己的破屋里忽然寻到一注钱,慌张的四顾,但屋内是空虚而且了然。于是他决计出门求食去了。


彼は往来を歩きながら「食を求め」なければならない。見馴れた酒屋を見て、見馴れた饅頭を見て、ずんずん通り越した。立ちどまりもしなければ欲しいとも思わなかった。彼の求むるものはこの様なものではなかった。彼の求むるものは何だろう。彼自身も知らなかった。


未荘はもとより大きな村でもないから、まもなく行(ゆ)き尽してしまった。村|端(はず)れは大抵水田であ[#「水田であ」は底本では「水あ田で」]った。見渡す限りの新稲(しんいね)の若葉の中に幾つか丸形の活動の黒点が挟まれているのは、田を耕す農夫であった。阿Qはこの田家(でんか)の楽しみを鑑賞せずにひたすら歩いた。彼は直覚的に彼の「食を求める」道はこんなまだるっこいことではいけない思ったから、彼は遂に靜修庵(せいしゅうあん)の垣根の外へ行った。


他在路上走着要“求食”,看见熟识的酒店,看见熟识的馒头,但他都走过了,不但没有暂停,而且并不想要。他所求的不是这类东西了;他求的是什么东西,他自己不知道。


未庄本不是大村镇,不多时便走尽了。村外多是水田,满眼是新秧的嫩绿,夹着几个圆形的活动的黑点,便是耕田的农夫。阿Q并不赏鉴这田家乐,却只是走,因为他直觉的知道这与他的“求食” 之道是很辽远的。但他终于走到静修庵的墙外了。


庵のまわりは水田であった。白壁(しらかべ)が新緑の中に突き出していた。後ろの低い垣の中に菜畑があった。


阿Qはしばらくためらっていたが、あたりを見ると誰も見えない。そこで低い垣を這い上って何首烏(かしゅう)の蔓(つる)を引張るとザラザラと泥が落ちた。阿Qは顫える足を踏みしめて桑の樹に攀(よ)じ昇り、畑中(はたなか)へ飛び下りると、そこは繁りに繁っていたが、老酒(ラオチュ)も饅頭も食べられそうなものは一つもない。西の垣根の方は竹藪で、下にたくさん筍(たけのこ)が生えていたが生憎ナマで役に立たない。そのほか菜種があったが実を結び、芥子菜(からしな)は花が咲いて、青菜は伸び過ぎていた。


庵周围也是水田,粉墙突出在新绿里,后面的低土墙里是菜园。阿Q迟疑了一会,四面一看,并没有人。他便爬上这矮墙去,扯着何首乌藤,但泥土仍然簌簌的掉,阿Q的脚也索索的抖;终于攀着桑树枝,跳到里面了。里面真是郁郁葱葱,但似乎并没有黄酒馒头,以及此外可吃的之类。靠西墙是竹丛,下面许多笋,只可惜都是并未煮熟的,还有油菜早经结子,芥菜已将开花,小白菜也很老了。


阿Qは試験に落第した文童のような謂れなき屈辱を感じて、ぶらぶら園門の側(そば)まで来ると、たちまち非常な喜びとなった。これは明かに大根畑だ。彼がしゃがんで抜き取ったのは、一つごく丸いものであったが、すぐに身をかがめて帰って来た。これは確かに尼ッちょのものだ。尼ッちょなんてものは阿Qとしては若草の屑のように思っているが、世の中の事は「一歩|退(しりぞ)いて考え」なければならん。だから彼はそそくさに四つの大根を引抜いて葉をむしり捨て著物の下まえの中に蔵(しま)い込んだが、その時もう婆(ばば)の尼は見つけていた。


阿Q仿佛文童落第似的觉得很冤屈,他慢慢走近园门去,忽而非常惊喜了,这分明是一畦老萝卜。他于是蹲下便拔,而门口突然伸出一个很圆的头来,又即缩回去了,这分明是小尼姑。小尼姑之流是阿Q本来视若草芥的,但世事须“退一步想”,所以他便赶紧拔起四个萝卜,拧下青叶,兜在大襟里。然而老尼姑已经出来了。


「おみどふ(阿弥陀仏)、お前はなんだってここへ入って来たの、大根を盗んだね……まあ呆れた。罪作りの男だね。おみどふ……」


「俺はいつお前の大根を盗んだえ」阿Qは歩きながら言った。


「それ、それ、それで盗まないというのかえ」と尼は阿Qの懐ろをさした。


「これはお前の物かえ。大根に返辞をさせることが出来るかえ。お前……」


“阿弥陀佛,阿Q,你怎么跳进园里来偷萝卜!……阿呀,罪过呵,阿唷,阿弥陀佛!……”


“我什么时候跳进你的园里来偷萝卜?”阿Q且看且走的说。


“现在……这不是?”老尼姑指着他的衣兜。


“这是你的?你能叫得他答应你么?你……”


阿Qは言いも完(おわ)らぬうちに足をもちゃげて馳(か)け出した。追っ馳けて来たのは、一つのすこぶる肥大の黒狗(くろいぬ)で、これはいつも表門の番をしているのだが、なぜかしらんきょうは裏門に来ていた。黒狗はわんわん追いついて来て、あわや阿Qの腿(もも)に噛みつきそうになったが、幸い著物の中から一つの大根がころげ落ちたので、狗は驚いて飛びしさった。阿Qは早くも桑の樹にかじりつき土塀を跨いだ。人も大根も皆|垣(かき)の外へころげ出した。狗は取残されて桑の樹に向って吠えた。尼は念仏を申(まお)した。


尼が狗をけしかけやせぬかと思ったから、阿Qは大根を拾う序(ついで)に小石を掻き集めたが、狗は追いかけても来なかった。そこで彼は石を投げ捨て、歩きながら大根を噛(かじ)って、この村もいよいよ駄目だ、城内に行(ゆ)く方がいいと想った。


大根を三本食ってしまうと彼は已(すで)に城内|行(ゆき)を決行した。


阿Q没有说完话,拔步便跑;追来的是一匹很肥大的黑狗。这本来在前门的,不知怎的到后园来了。黑狗哼而且追,已经要咬着阿Q的腿,幸而从衣兜里落下一个萝卜来,那狗给一吓,略略一停,阿Q已经爬上桑树,跨到土墙,连人和萝卜都滚出墙外面了。只剩着



 

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