むかしむかし、川場温泉というところはとても水不足で、温泉どころか普段の飲み水にも困っていました。
很久很久以前,在一个叫川场温泉的地方,水源不足,不用说温泉了,就连日常饮水也成问题了。
ある日の事、旅の途中の弘法大師がこの地を訪れて、一人の老婆に水を頼みました。「すみません。長旅でのどが渇いて困っております。どうか水を、めぐんで頂けないでしょうか?」
有一天,在旅行途中的弘法大师来到这个地方,向一个老婆婆要水喝:“不好意思。长时期的旅途,实在是渴死了。能否给我点水喝呀?”
すると老婆は、にっこり笑って、「はい。それではこれをどうぞ」と、貴重な水を、大師に差し出したのです。
老婆婆笑呵呵得说道:“好吧。请喝这个吧。”就把珍贵的水给大师了。
「ありがたい。これは、おいしそうだ」
“谢谢了。这个看上去很好喝。”
大師はそれをゴクゴクと飲み干すと、老婆に尋ねました。「見たところ、このあたりでは水に不自由しておるようだが」
大师咕噜咕噜喝完水后问老婆婆道:“依我看来,这附近是不是水源不足啊?”
「はい。確かに水にも不自由しておりますが、このあたりは食べ物が悪いせいか、脚気(かっけ)になる者が多くいて困っております。もしここに温泉がわいたら、どんなにか役に立つでしょうね」
“是的,的确水不多。这附近不知道是不是食物不好,得脚气的人很多。如果这有温泉的话,那该有多好啊。”
「なるほど、温泉ですか。 やった事はないが、この土地なら」大師はそう言うと、手に持った錫杖(しゃくじょう)の先で地面を何度かコンコンと叩きました。
“原来如此啊。温泉啊。 虽然没有做过这种事,这样的土地的话”大师这样说着,用手里拿着的锡杖尖扣扣得敲了几次地面。
「よし、これならいけそうだ」そして錫杖を振り上げた大師が力強く振り下ろすと、そこからたちまち湯煙があがって豊富なお湯がわきはじめたのです。
“好嘞,这样的话应该可以了。”大师举起锡杖用力得敲了下去,不一会儿就从那里冒出了热气,源源不断的热水开始涌了出来。
「これは、温泉!お坊さま、ありがとうございます!」老婆は大喜びで大師にお礼を言おうとしましたが、気づいたときには大師の姿はなかったそうです。
“这是温泉啊!大师,太感谢您了!”老婆婆大喜,想好好谢谢大师,可是注意到的时候大师已经不见踪影了。
川場温泉では今でも湯船のそばに弘法大師をまつっており、この温泉の湯は脚気に効くと評判だそうです。
在川场温泉,至今还在浴室里供奉着弘法大师,听说那温泉水对治脚气很有效。