51. ~ごとき/~ごとく
A 意味 ~ような/~ように
<文語体のたとえの表現>
接続 [動-辞書形/た形] (が) ?[名-の] +ごとき
① その少年は飛ぶがごとき勢いで、駆け去った。
② 良子は白百合のごとき乙女であった。
③ 前述したごとく、会議の日程が変更になりましたのでご注意ください。
B 意味 ~なんか ?~など
<否定的にとらえて表現するときに用いる。>
接続 [名]+ごとき
① 俺の気持ちが、お前ごときにわかるものか。
② 私ごとき未熟者にこんな大きな仕事ができるのかと心配です。
注意 「~ごとき」の後ろには名詞が、「~ごとく」の後ろには動詞 ?形容詞 ?副詞がくる。
52. ~ことなしに
意味 ~(し)ないで
接続 [動-辞書形] +ことなしに
① よいお返事をいただくことなしに 、帰るわけにはまいりません。
② 担当教師の許可を得ることなしに、履修科目の変更できない。
53. ~ずくめ
意味 ~ばかり
<全部、全体がそればかりの状態であることをあらわう。>
接続 [名] +ずくめ
① 試験には合格するし、恋人はできるし、いいことずくめですね。
② 氦幛文肖ⅳ丹盲殚Tの前にたっている。
54. ~ずにはおかない
意味 ~ないでは許さない ?ないではおわらない <[必ずそうする」という意志や、「必ずそうなる」という状況を表す。>
接続 [動-ない形] +ずにはおかない
<「する」は「せずにおかない」となる>
① そんなことをしてみろ。痛い目にあわせずにはおかないぞ。
② あんないどいことをされたのだから、仕返しをせずにはおかない。
③ 彼女のスピーチは聞く者に感動を与えずにはおかなかった。
類語 NO.99「~ないではおかない」
55. ~たりとも
意味 ~であっても
<僅か、少ない、小さい、弱いなどを強調する表現.>
接続 [名] +たりとも
① もう時間がない。一分たりともむだにできない。
② 世界平和会議では、小国たりとも平等に議決権を有している。 (議決権:ぎけつけん )(有す:ゆうす)
56. ~つ~つ
意味 ~たり~たり
接続 [動-ます形] +つ +[動-ます形] +つ
① ラッシュアワーの車内は押しつ押されつしている。
② 彼と私はもちつもたれつの関係です。
慣用 「ためつすがめつ」 <様々な角度からよくみながら>
?彼女はそのセーターをためつすがめつ、かおうかどうしようかと迷っている。
注意 対照的な内容をもつ二つの動詞が用いられる。
57. ~といったら(ありはし)ない
意味 とても~だ
接続 [動-辞書形] ?[い形-い] ?[な形-(だ)] ?[名-(だ)] +といったら(ありはし)ない
<ただし、[動] と[名] はその内容が程度を表すことのできるものに限られる。>
① このところ残業続きで疲れるといったらない。
② 飛行機の窓から見えたオーロラの美しさといったらなかった。
③ 1週間もお風呂に入らないんだもの、汚いといったらありゃしない。
注意 話し言葉では「~といったらありゃしない」、「~ったら(ありゃし)ない」もよく使うが、この場合はあまりよくない内容を表すことが多い。
58. ~とは
意味 ~なんて
<そのことを取りたてて強調する表現.>
接続 [動 ?い形 ?な形 ?名] の普通形 +とは
<ただし、[な形] と[名] の「だ」はつかないこともある>
① こんな失敗をするとは、われながら情けない。
② もう4月だというのに、こんなに寒いとはね。
③ コーヒー1杯で2000円とは、いくらなんでも高すぎる。
59. ~ともなく/~ともなしに
意味 <はっきりと意識せずに、その動作をしているときの表現.>
接続 [動-辞書形] +ともなく
① みるともなくぼんやり外を見ていたら、不意に大きなカラスが飛んできた。
② 寂しい夜は、だれかから電話がかかってくるのを待つともなしに待っている。
注意 前後に同じ動詞がくることが多い。
60. ~ともなると/~ともなれば
意味 ~になると/~になれば
接続 [動-辞書形] +ともなると ? [名] +ともなると
① 急に外国へ行くともなると、準備が大変でしょう。
② 12月ともなると、街にはジングルベルのメロディーが溢れる。
③ 一人前の大人ともなれば、自分の言葉に責任を持たなければなりません。