体の語源・由来
体は、「殻(から)」に接尾語「だ」が付いた語。
古くは、魂に対してそれを宿している身体、生命のこもらない肉体を「からだ」と言い、魂を宿した肉体は「身(み)」と言った。
つまり、身の外形部分が「体」であった。
平安時代には、セミが脱皮した後の抜け殻や、死体などの意味で用いられ、いわゆる「亡骸(なきがら)」を指していた。
「からだ」は漢文訓読語で、平安時代の和文には見られず、代わりに「から」が用いられた。
一般的な語として「からだ」が用いられるようになったのは、室町時代以降である。
1603年の『日葡辞書』では、体の意味として「死体」「むくろ」「しかばね」と解説されているが、「時には生きた体の意にも用いる」ともあり、この頃には魂と体を区別して考えることが少なくなってきたと考えられる。
やがて、頭から足先までの全てを指す語として「体」が定着し、生きたていることを前提とした用法が多くなり、「健康」や「体力」などの意味でも「体」の語は使われるようになった。