ごぼう抜きの語源・由来
ごぼう抜きの意味は大まかに分けて三種類あるが、棒状のものを抜く意味や、人材を抜く意味で用いられる「ごぼう抜き」は、単に「ごぼうを抜くように」といった形容の意味からと考えられる。
マラソンなどで一気に抜く意味として使われる「ごぼう抜き」の語源には、二通りの説がある。
1.ごぼうは他の野菜に比べ細くまっすぐ伸びているため、長い割りに容易に抜くことが出来ることから、「ごぼう抜き」と言うようになったとする説。
2.ごぼうは抜きにくく大変な作業であることから、抜きにくいものを一気に抜く意味で、「ごぼう抜き」になったとする説。
この二説は全く正反対な語源となり、一般には「1」の説が多くみられる。
ごぼう抜きの作業が、実際には容易なのか困難なのかであるが、これはごぼうの栽培地や品種によって異なる。
砂質壌土や火山灰地であれば容易に抜くことができ、一般の畑の土で育ったごぼうは抜きにくい。
堀川ごぼうのような関西ごぼうは短根で抜きやすく、主流となっている滝野川ごぼうのような関東ごぼうは長根で抜きにくい。
一般的に栽培地や品種では、ごぼうは抜きにくいものと考えられ、「2」の説が有力と考えられる。
また、「意外にも簡単に抜く」という意味では「1」の説も考えられるが、「実際にそれほど難しいものではない」といったニュアンスを含むため、競走などで抜く場合に用いられる「ごぼう抜き」の語源は、「2」の説が有力と考えられる。