タキシード
タキシードとは、男子の夜間用略式礼服。シングル襟、背広形の上下で、襟に黒い綾絹をかぶせ、ズボンの側線も黒い綾絹で縁取る。黒の蝶ネクタイを結ぶ。
タキシードの語源・由来
タキシードはアメリカ英語で、イギリスでは「ディナージャケット」、フランスでは「スモーキングジャケット」と呼ばれる。
タキシードの名は、ニューヨーク州オレンジカントリーにある「タキシード・パーク(Tuxedo Park)」という地名に由来する。
「Tuxedo Park」は「タキシード公園」という誤訳によって「公園」の名前と思われることもあるが、「アメリカの煙草王」と呼ばれるピエール・ロリラードが1885年に開発した別荘地の名である。
1986年10月10日、タキシード・パーク内の会員制クラブ「タキシードパーククラブ」の正装舞踏会で、皆が燕尾服を着る中、ピエール・ロリラードの息子グリスウォルド・ロリラードが、真っ赤なスモーキングジャケット(室内着)を着用したことから、「タキシード」と呼ばれるようになった。(グリスウォルド・ロリラードがスモーキングジャケットを着て参加した理由は、着替えるのを忘れたとも目立ちたがりだったからとも言われるが不明)
1890年代には、グリスウォルド・ロリラードが着たようなスモーキングジャケットに燕尾服のズボン、それに蝶ネクタイや小物を組み合わせて着るファッションが若者の間で流行し、この頃から「タキシード」という名が定着していった。
室内着から準礼装になったタキシードであるが、現在では燕尾服があまり着られなくなったことから、一般に夜の正礼装として着用されるようになっている。