凧の語源・由来
凧を「タコ」と呼ぶのは関東方言で、関西方言では「イカ」と呼ばれ、18世紀後半の方言集『物類称呼(ぶつるいしょうこ)』には、「イカノボリ」の例も見られる。
凧が、「タコ」や「イカ」と呼ばれ始めた由来は不明だが、紙の尾を垂らして揚がる姿が、「蛸(タコ)や「烏賊(イカ)」に似ていることから名付けられたと考えられる。
中国では漢代から「紙鳶(しえん)」として用いられており、平安時代初めに日本に伝来した。
現代でも「凧」は、「紙鳶」と表記されることがあり、938年成立の『和名抄(わみょうしょう)』には、「紙老鴟(しらうし)」としてあげられている。
「鳶」や「鴟」は、鳥の「トビ」のことで、紙製のトビを意味する。
「タコ」の呼称が出現するのは、江戸時代以降のことである。