丼の語源・由来
丼の語源は、江戸時代、一杯盛り切りの飲食物を出す店を「慳貪屋(けんどんや)」と言い、そこで使う鉢が「慳貪振り鉢(けんどんぶりばち)」と呼ばれていた事から、略され「どんぶり鉢」になったとされる。
慳貪とは、「けちで欲深い」という意味で、慳貪屋で出されるものは「慳貪めし」や「慳貪そば」と呼ばれ、それを運ぶものは「慳貪箱」といった。
八丈島の方言で「どんぶり鉢」を「けんどん」と言い、この名残と考えられている。
しかし、江戸時代、更紗(さらさ)や緞子(どんす)などで作った大きな袋も「どんぶり」呼ばれている。
そのことから、どんぶりの語源は「慳貪振り鉢」の略ではなく、物を無造作に放り込むさまを「どんぶり」と表したもので、「どぶん」「どぼん」と同じ、物が水中に落ちる擬音語の「どんぶり」と関係するとも考えられる。
また、漢字「丼(たん)」は「井(せい)」の本字で、字面から井戸の中に物を投げ込んだ音を表す字として用いられて、擬音語の「どんぶり」に当てられ、さらに「どんぶり鉢」を表すようになったものである。