濡れ衣の語源・由来
濡れ衣は、雨水や海水などに濡れた衣服のことで、元々は文字通りの意味であった。
「無実の罪」の意味として、濡れ衣が使われ始めたのは平安時代頃である。
濡れ衣の語源は諸説あるが、次の順で有力とされ、三番目の説はただの駄洒落と考えられる。
1.継母が先妻の娘の美しさを妬み、漁師の濡れた衣を寝ている娘の枕元に置いたため、漁師との関係を誤解した父が、娘を殺してしまったという昔話説。
2.濡れた衣服が早く乾けば無罪、乾かなければ有罪とする、神の意思を受ける裁判がかつて存在したと考え、その神事に由来する説。
3.「無実」という語は、「実が無い」と書くことから、「みのない」が「蓑無い」となり、雨具として使われる蓑が無いと衣が濡れるため、「無実」を「濡れ衣」と呼ぶようになったとする説。