ふぐ
ふぐとは、フグ目フグ科の海水魚の総称。卵巣や肝臓などにテトロドトキシンという猛毒をもつものが多く、外敵に会うと大きく腹を膨らませ威嚇させるものもいる。
ふぐの語源・由来
ふぐは、平安時代には「布久(ふく)」「布久閉(ふくべ)」と呼ばれていた。
江戸時代中頃から、関東で「ふぐ」と呼ぶようになり全国へ広がったが、現在も下関や中国地方の一部では「ふく」と呼ばれている。
「ふく」の語源は、ふぐには海底で砂を吹き、出てくるゴカイ類を食べる性質があるため、「吹く(ふく)」からとする説や、「袋(ふくろ)」「脹脛(ふくらはぎ)」「ふくよか」「膨れる(ふくれる)」など、膨らむものを意味するものの多くは「ふく」が使われているため、ふぐも「ふく」と呼ばれたとする説がある。
「瓢箪(ひょうたん)」を「瓠瓢(ふくべ)」と呼んだことから、形が似ているため「ふぐ」を「ふくべ」と呼び、「ふく」になったとする説もあるが、「瓠瓢」は膨らむものと同じ由来になるので、この説は違うと見て良いだろう。
漢字で「河豚」と書く由来は、中国では揚子江や黄河など、海よりも河に生息するふぐが親しまれていたことから「河」が使われ、膨れた姿が豚に似ていることと、釣り上げた時の音が豚の鳴き声に似ていることから、「豚」が使われるようになったとされる。
昭和55年から下関ふく連盟によって、二月九日は「ふぐの日」に制定されている。