みこし
みこしとは、神幸・祭礼などで、神霊の乗り物とされる輿。多くは黒い漆塗りの木製で、屋根の上に鳳凰などを飾り、台に二本の棒を貫き、大勢が担いで運ぶ。しんよ。
みこしの語源・由来
みこしは、「こし(輿)」に敬語の接頭語「み(御)」を添えた語で、「みくじ」を「おみくじ」と言うように、さらに「お」を付けて「おみこし」とも言う。
「みこし」の「み」には「御」と「神」の漢字表記があるが、神霊に伴なうものには「神」の字が当てられることが多く、対して「おみおつけ」は神と関係が無いため「御」だけ用いられる。
みこしの「こし(輿)」の語源は、「越し」の意味と考えられる。
元々「輿」は、「玉の輿」という言葉があるとおり貴人の乗り物を言ったが、平安中期頃から怨霊信仰が盛んになり、神霊を運ぶ物として「みこし」が使われるようになった。
また、「輿」は「腰」とかけて、「みこしを上げる(立ちあがること)」、「みこしを据える(座りこんで動かないこと)」といった用法もある。