ある暑い日のことです。休み時間に、学生たちがペットボトルの回し飲みをしていました。
「回し飲み」というと、日本人の感覚では同じ容器に複数の人間が口を付けて飲むことを想像します。
ところが、学生たちは皆、容器の飲み口から数センチ離し、口が容器に触れないようにして飲み物を口に流し込んでいたのです。その光景がどこか不思議だったので、ある韓国人学生に質問してみると、韓国では友達同士でも、日本人がするような「回し飲み」はしないのだというのです。私の驚いた顔を見て、不思議に思ったらしい韓国人学生は、「じゃ、先生、日本人はどうやってみんなで飲むの?」と質問してきました。
日本では普通、同性の友人同士なら、時には相手が異性であっても、同じ飲み口から「回し飲み」をすることに抵抗はありません。逆に友達に飲み物をすすめられた時に「数センチ離して」飲んだりしたら、少し失礼な印象を与えてしまうでしょう。「回し飲み」をしようという時点で、それは、ある程度、親しい人だと思われていると考えたほうがいいかもしれません。逆にいうと、たいていの場合、「回し飲み」をしたくない人には同じ容器をすすめることがありません。日本人は、「回し飲み」をする際にもさりげなく相手との「心理的な距離」を見極めているのです。
“轮流喝饮料”
有一天,天气很热。在休息时间,学生们轮流着喝一瓶装在硬塑料瓶中的饮料。说到“轮流喝饮料”,日本人会觉得是几个人使用同一个容器,而且是嘴对着容器口喝。
然而,学生们喝饮料时,嘴离开瓶口几公分,不接触瓶口而是将饮料倒入口中。看到这种情景,我觉得有点儿不可思议,于是询问一位来自韩国的学生。据他说,在韩国,轮流喝一瓶饮料时,即使是朋友之间也不会像日本人那样嘴对着瓶口喝。听了这番话,我有点儿意外,而看到我脸上显出惊异的神色,那位韩国学生似乎觉得不可理解地反问我道:“老师,那么日本人是如何轮流喝一瓶饮料的呢?”。
在日本,同性朋友之间,有时即使对方是异性,一般并不忌讳从同一个容器口轮流喝饮料。相反,如果接过朋友递过来的饮料,喝时嘴离开瓶口几公分的话,我想会给对方留下不礼貌的印象吧。也许应该如是考虑:欲与他人轮流喝一瓶饮料的人,此时已把对方看作是与自己关系亲密的人。反过来说,一般情况下,如果不愿意与对方同饮一瓶饮料,就不会主动将饮料让给对方。日本人在轮流喝同一瓶饮料的时候,也若无其事地在衡量着与对方之间的“心理距离”。