● やってみよう-2 「たっくんのはウルトラマンで、まさとはアンパンマンなんだよ」3歳になる息子が保育園から帰ってくるなり、不満そうにこう叫んだ。保育園に持っていくかばんの模様のことである。お母さんたちはわが子のかばんに最近流行のマニメキャラクターを刺(し)繍(しゅう)しているのだ。一方、うちの子のは、スーパーで買ってきた無地のデニムで、申し訳程度に汽車のアップリケがすみっこにしてあるだけのものだ。それが気に入らないらしい。「いいじゃない。これ、かっこいいよ」といいながら、ふと幼いころの記憶がよみがえった。 母は手先が器用で、服やかばんによく刺繍をしてくれた。「今度はウサギさん」「私のはお姫様」。妹と競って頼むと「はい、はい」と微笑み、2,3日後にはでき上がっていた。それらの作品を学校に持っていくのが子供心に誇らしく嬉しかったことを思い出し、自分で作ってみることにした。 あの器用な母から、なぜこんなに不器用な娘が生まれたのかと思えるほどへたくそで、今まで手芸はできるだけ避けてきたが、「息子のためだ、いっちょ頑張るか」と材料を買ってきたものの、作業は遅々として進まず、何度もやり直しをする私を見て夫が「買ってきたほうがいいんじゃないか」と不安げな様子。何度か挫(ざ)折(せつ)しかけたが、2週間後、ついに完成した。う~ん、ちょっと、コオロギみたいだけど、ウルトラマンに見えるよね……。 問い 「自分」とは、誰のことか。 1、筆者の妹 2、筆者の母 3、筆者自身 4、筆者の夫 練習1 けさ、娘に「実は二人に会ってほしい人がいるの。日曜日に家に連れてくるから、お父さんにも言っておいてね」といわれて驚いた。そういえば、夜遅くメールを交換したり、仕事が休みの日も楽しそうに出かけていたが、いったいどんな相手なんだろう。娘の伝言を聞いたら、夫はどんな顔をするだろうか。 問い 「二人」とは、誰と誰のことか。 1、筆者とその夫 2、筆者と娘の恋人 3、娘とその恋人 4、筆者の夫と娘の恋人 練習2 私の父は子供を子供扱いせず、常に一人の人間として接した。今、こうして家族で食卓を囲んでいるといつも思い出す光景がある。 私が小学校2年、兄が4年のときだった。みんながその日あった出来事をワイワイ話しながら父を囲んで食事をしていた。私が学校帰りに犬の糞を踏んでしまったという話をしたら、兄が負けじと「僕はもっと大きなのを踏んだことがある」と対抗してきて、その色や形などで話が盛り上がった。と、突然父が私に怒鳴った。 「①人が機嫌よく食べているときに、そんな話をするな」 「何で僕だけ怒られるんだ。お兄ちゃんだって……」 といいかけると、「②人のことは放っておけ」と、また叱られた。 単に子供の話と考えれば、何でもないことだが、父は食事時の話題ではないと戒(いまし)めたかったのだろう。今になって分かることだ。 さて、わたしはというと、わが子に対し「まだ子供なんだからいいじゃないか」と甘やかし、末だに父のように接することができないでいる。 問い ①「人」と②「人」は、それぞれ誰のことか。 1、①筆者人身 ②筆者の父親 2、①筆者の父親 ②筆者の兄 3、①筆者の兄 ②筆者自身 4、①筆者の父親 ②筆者の子供 練習3 小心な私は、外国のホテルに泊まると、必ず入口の電燈だけつけて眠る。緊急の脱出のとき慌てなくて済むだろう、という計算と、これで眠っている間に泥棒に入られなくて済むからである。恐らくホテルの従業員の仕業だと思われるしのび込みは、入口の電燈がついていると、中の宿泊人はひょっとしておきているかもしれないと思うだけで気持ちが悪いらしく、私の同行者が軒並み枕捜しの被害に遭ったときも、私の部屋だけは無事だった。 (曽野綾子「透明な歳月の光」2004年5月28日付産経新聞朝刊による) 「注1」 枕捜し:旅客の睡眠中に金品を盗むこと、または盗む人 問い 「気持ちが悪い」のは、誰か。 1、筆者 2、筆者の同行者 3、ホテルの従業員 4、しのび込む人 練習4 日本の青年は、親の家に居室を確保するだけではない。国立社会保障・人口問題研究所「家庭動向調査」(1998年)によれば、女性の7割以上、男性の5割以上が身の回りの世話(食事、洗濯、入浴など)を、また女性の4割、男性の3割が親から経済的支援を受けている。子にとっては、経済的負担を免れつつ、何くれとない世話を受けられ、親にとっては、同居によって寂しさを免れ、精神的な充実感が得られるというから、双方に利点が大きいのである。 (湯沢雍彦『データで読む家族問題』NHKブックスによる) 問い 「双方に利点が大きい」とあるが、何が双方に利点が大きいのか。 1、親と子が身の回りの世話をすること 2、親と子が同居すること 3、親と子が精神的な充実感が得られること 4、親と子が経済的に支援すること 上一页 [1] [2] 下一页 一级阅读 |
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