旧ソ連のチェルノブイリ原発事故が起きて、今日で25年になる。規模は異なるが、最悪の惨事に福島第一原発の事故は「レベル7」で並んだ。原発依存を今後どうしたらいいのか。きびしい問いが私たちに突きつけられている
原苏联切尔诺贝利的核事故至今天已经有23年。虽说规模不同,但是惨状和福岛第一核电站的核事故一样定为7级。核能的依存今后怎样发展好呢?尖锐的问题摆在了我们的面前
▼「白熱教室」で知られる米国ハーバード大のサンデル教授が、日曜の本紙で述べていた。「丁寧な議論をすること。絶対に議論を避けてはならない。賛否両派が相互に敬意を持って、公然と討議できれば、民主主義は深まる」。このアドバイスの勘所は「敬意」ではないだろうか
以“白热教室”闻名的美国哈弗大学桑德尔教授周日在本报上这样说“诚恳的讨论。绝不应该逃避讨论。赞成否定的两方面都应该心怀敬意的公然争辩,这样民主主义才能深化”。这条建议的中心词难道不是“敬意么”
▼英首相を務めたアトリーの、こんな言葉を思い出す。「民主主義の基礎は、他の人が自分より賢いかも知れないと考える心の準備です」。異なる意見に払い合う「敬意」なしには、議論は言葉による殴り合いとなろう
我们想起了当年的英国首相艾德礼的话,“民主主义的基础是我们要做好别人可能比自己有才能的准备”。如果对不同的意见没有敬意的话,讨论也只是用语言去争斗吧。
▼事故後の本紙世論調査によれば、原発を「増やす」という人5%、「現状程度」51%、「減らす」30%、「やめる」11%。世論二分の中、どの道を選ぶか。いずれにせよ「あなた任せ」「のど元過ぎれば」の愚は繰り返すべからず、である
事故之后本报的舆论调查显示,希望核电站增加的5%,维持现状的51%,减少的30%,停止的11%。在舆论的二级分化中,我们应该选那条道路呢?不应该重复着“拜托你了”“不过火就行”的愚蠢论调
▼だが国策を方向づける国会は、どだい論議が心許(こころもと)ない。茨木のり子さんの詩の一節を借りれば、〈舌ばかりほの赤くくるくると空転し/どう言いくるめようか/どう圧倒してやろうか〉――。これでは教授の助言からは遠い
可是把握国策方向的国会,却对这些议论不放心。借用茨木女士诗的一节来说吧“红红的舌头再无用的转着,怎样说才好呢,怎么才能压倒说服呢”
▼安全神話は潰(つい)え、いまや事故は起きるのが前提だ。利権や金儲(かねもう)けではなく人の賢さを高めて針路を決めたい。敬意をもって未来に迎えられるように。
以现在发生的事故为前提,安全神话崩溃了。我们追求的不是权利和赚钱而是要以我们人类的聪明才智来决定前途了。怀揣敬意面向未来吧。
中日对照