毎年いまごろ、「夏休み最後の週末」がニュースになる。じりじり照る太陽、陰影濃い日々は、それだけでどこか非日常のにおいがある。今年は雨がちだが、晩夏の光は胸に一抹の感傷を引く。
每年的这个时候,“暑假最后的周末”都会成为新闻。火辣辣的阳光和阴影浓密的每一天,正因为这点,才感觉有点不正常的味道。虽然今年雨水偏多,但是晚夏的阳光勾起了心中一抹感伤。
〈泉の底に一本の匙(さじ)夏了(おわ)る〉飯島晴子。森のキャンプ場に湧く泉だろうか。にぎやかな声はもう消え、誰かが忘れていったスプーンが水底にひとつ。呼びさまされる光景が、烈(はげ)しかった季節の終わりを告げる。
饭岛晴子吟道,“泉底留有汤勺一把,夏日已然结束”。这是在森林的露营地喷涌的泉水吗?喧闹的声音已经消失了,谁都忘记了的一把汤勺躺在了水底。被唤起的情形宣告着炎炎夏日的结束。
さて、この人も、烈しかった季節を過ぎて、後ろ姿に秋風が吹く。菅首相がきのう、正式に辞任を表明した。短命だったが、「最後の粘り」もあって、在任は小泉後の5人のうちでは最も長い。良くも悪くも、戦後最悪の非常時の宰相として名を残そう。
那么,这个人也是,度过了烈日炎炎的季节,秋风吹着其背影。菅直人首相,昨天正式宣布辞职。虽然短命,但是仍“坚持到底”,在任时间是小泉之后的5人中最长的。无论是好是坏,最为战后最坏时期的首相而历史留名。
ここに来て、「すっかり脂っ気が抜けた」が周囲の評らしい。あれは国民新党の亀井さんだったか、夏前に「(菅さんは)秋風の吹くころお遍路に旅立てる」と言っていた。見通しは、良いところをついていた。
来看这里,周围人评价说,“油气全部去掉了”。说的是国民新党的龟井先生吗?在夏日前他就说过,“菅直人先生将在秋风吹拂时踏上朝拜的道路”。他的预测真准。
菅さんが政治の「泉」に残した一本の匙は、「脱原発依存」だろう。これで四面楚歌(しめんそか)は極まったが、共感する人も多かった。水底から拾い上げる後継首相はいようか。水を濁してごまかすなら、離れる支持も多かろう。
菅直人留在政治之“泉”中的一把汤勺或许是“摆脱核电站的依赖”吧。虽然已是四面楚歌,但还是有很多人产生共鸣。继任首相会不会把它从水底捞起来呢?要是浑水摸鱼,那么就会众叛亲离。
もう一つお手柄を挙げれば、与野党乱戦の「菅おろし」を通じて、政治の貧相を改めて周知させたことか。何とも皮肉な「功」を残して夏とともに去る。かくて初秋の風物詩と揶揄(やゆ)された首相交代が、2年ぶりに復活する。地位の軽さはいよいよ極まる。
要是再列举另外一项功劳,就是通过执政党和在野党的“倒菅”,让人重新认识到了政治的寒酸相呢?留下无计可施遭人讽刺的“功劳”,和夏日一同离去。就这样,被调侃为为初秋的风景诗的首相替换,时刻两年后再次复活。其地位越来越无足轻重。