千年近くも昔、たいそう読書好きの少女がいた。世は平安時代、書物は希少だ。少女は等身大の仏像を造り「あるだけの物語を全部読みたい」とひたすら願う。菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)と呼ばれる人で、その「更級(さらしな)日記」に愛書ぶりが詳しい。
▼上洛(じょうらく)し、憧れの源氏物語を全巻もらうと天にも昇る心地になる。「間仕切りの中に伏して一冊ずつ読む喜びといったら、后(きさき)の位も比ではない」と書き、「昼はずっと、夜は目の覚めている限り、灯を近くにともして」読みふけった。そんな少女が、喜んでいよう。
到京都后,她得到了梦寐以求的源氏物语,顿时欢天喜地。她写道:“伏在在隔间一本一本地读书,没有比这更高兴的事了。”“不仅白天一直读书,晚上只要不睡觉,就借着灯光读书”,被书中的内容吸引,沉浸在阅读的喜悦之中。
▼今年から、11月1日が「古典の日」になった。1008(寛弘5)年のこの日、源氏物語をめぐる記述が「紫式部日記」に初めて出てくる。それにちなんで法律で定めた。読書週間のほぼ真ん中、翌々日は文化の日と、日取りはいい。
从今年起,11月1日被定为“古典日”。在1008年(宽弘5年)的这一天,关于源氏物语的记载首次出现在了《紫式部日记》中。因此这天成了法定纪念日,这一天正好在读书周的正中间,而且隔天就是文化日,这个日子定的还真是不错。
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