こんじゃくものがたりゅう)には、京の都の門前に捨てられていた子が、犬の乳で育つという話が出てくる。幼子ふたりを養えないのでやむなく捨てると泣いている女から、ひとりをもらい受ける話もある。実際にも捨て子は多かったという(服藤早苗「平安朝の母と子」中公新書)。
《今昔物语集》中既有用犬乳养育被遗弃在京城皇宫门前的小孩的故事。也有听到女子哭诉无力抚养两个年幼的孩子,不得不舍弃的情况,就领养一个孩子的故事。据说现实当中弃儿也很多。(服藤早苗·《平安时代的母与子》·中公新书)
この時代の「金葉和歌集」には、大路(おおじ)に捨てられた子を包んだおくるみに記された一首がある。〈身にまさる物なかりけり緑児(みどりご)はやらんかたなくかなしけれども〉。我が身のために愛児を捨てる苦悩がにじむ。
同时代的《金叶和歌集》中有一首写在被遗弃在大路边的婴儿襁褓上的和歌。“曾经的最爱/我的孩子/妈妈不得不舍弃你/尽管很痛苦”。表达出母亲由于自身原因不得不舍弃爱儿的痛苦。
★みどり-ご [3] 「緑児?嬰児」〔「新芽のような子」の意から。古くは「みどりこ」〕生まれたばかりの子供。あかんぼう。「いとけない―」
★やらんかた-な?し 「遣らん方無し」 (連語)どこへやることもできない。心を晴らすてだてがない。やる方なし。