都合が悪いことを、どう伝えますか?
基礎編 自宅で。
新聞勧誘員:こんにちはー. 「
アンナ:はーい。
新聞勧誘員:こんにちは、経済新聞ですけど、購読してもらえませんか。
アンナ:は?新聞ですか。
新聞勧誘員:はい。一か月無料で入れますから。
アンナ:いま、手が放せなくて。間に合ってますから。**********新聞勧誘員:そうですか、でも今なら…。
アンナ:すいません、火をかけたままですので、失礼します。
重要表現 (1)今、手が放せなくて。
(2)間に合ってますから。
セールスなどを断るとき、間接的に「いらない」と伝える表現です。
(1)は、今、忙しいから応対できないという意味です。
(2)は、「間に合っています」の「い」を省略した口語の表現に、理由を表す「から」が付いて「十分あるのでこれ以上はいらない」
ということを柔らかく伝える表現です。
ポイント 目上の人や関係の遠い人に、自分の都合が悪いことを丁寧に伝える表現を覚えましょう
アンナ:じゃ、お先に失礼します。
店長:あ、小野さん、ちょっと待って。
アンナ:はい?
店長:今、蒲焼焼いてるから。安く手に入ったんだ。
持って帰ってよ。
アンナ:あ…、そうですか。すいません。
店長:おいしいよ。
アンナ:ありがとうございます。あの、店長、すいませんが、ちゃっと電話お借りしてもよろしいですか?
店長:いいよ。
アンナ:すいません。
(電話で)あ、小野です。いつもお世話になってます。
あの、申し訳ないんですが、お迎えの時間に間に合いそうもないんですが…。**********はい、30分ぐらい遅くなりそうなんです…。
重要表現 (1)申し訳ないんですが、(2)お迎えの時間に間に合いそうもないんですが
目上の人や関係の遠い人に、自分の不都合を遠回しに伝える表現です。
(1)は、相手に謝るときの表現です。
(2)は、「お迎えの時間」(子どもを学校や保育所などに迎えに行く時間)+「に」+「間に合いそうもない」{「間に合い」(「間に合う」のマス形「間に合います」からマスを取った形)+「そうもない」(できないことを「たぶんできないだろう」と表現する)}+「んですが…」(事情を説明して相手の反応を期待する表現)で、できないことを「たぶんできないだろう」と、遠回しに相手の理解や助けなどを期待する表現です。
コラム
「土用丑の日 土用干」
年によって日が違いますが、7月21、22日ごろ、「土用丑の日」という日があります。この日にはうなぎを食べる習慣があります。とても暑くなる時期に「うなぎを食べると精がつく」と言われますが、その歴史は古く、奈良時代にさかのぼると言われています。
土用とは、立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間のことです。古代中国の「陰陽五行説」(すべてのものは木、火、土、金、水の五つの組み合わせで成り立つという考え)に基づいて、四季をはる——木、夏——火、秋——金、冬—-水としました。そして、各季節の間を「土」としたのです。ですから、各季節に土用があるのですが、その中で夏の土用だけが親しまれてきました。
「丑の日」とは、十二し(子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥)の丑で、年だけでなく日も12回に1回は「丑の日」があります。土用の丑の日にうなぎを食べるようになった理由は、「うなぎ」の「う」と「丑(うし)」の「う」が同じ音だったからではないかとも言われています。
土用になると、昔は、衣類や本、家具などを害虫やカビから守るために日に干した「土用干」が行われました。今でも着物に風を通す土用干を行う家があります。また、この時期に第12回のコラムに書いた梅干を出し、3日3晩干すことも土用干と言います。土用干をした梅干は赤い色が鮮やかになります。