話を聞いてもらったとき、どうお礼を伝えますか?
基礎編 友人の家で。
アンナ:後いくつ作ればいいかしら?
友人:赤白10個ずつだから、あと2つずつかな。
友人:でも、大変ね。フィリピンと習慣も違うだろうしね。
アンナ:そうなんです。いつも、「ここは日本だ、あたしは日本にいるんだから」って自分に言い聞かせてるんだけど……時々たまらなくなるんです。
友人:ふうん。小野さん、明るいから、あんまりわかんないけど、いろいろあるのね、やっぱり。
アンナ:ええ。でも、どうもありがとう。愚痴を聞いてもらって。**********らくになりました。
友人:あたしでよかったら、いつでも聞くわよ。
アンナ:ありがとう。
重要表現 どうもありがとう。愚痴を聞いてもらって。**********
「愚痴」は言っても何も解決方法が見つからない話のことです。親しい人に愚痴や悩みを話して、気持ちが楽になったときのお礼の表現です。
ポイント 目上の人や関係の遠い人に悩みを受け止めてもらったときに言うお礼の表現を覚えましょう。
応用編 茶道教室で。
アンナ:はい。
先生:そう。アンナさんもいろいろ大変ね。
アンナ:いえ…。自分が選んだことですから。
先生:そうは言ってもね。まだ同居なさって日が浅いしね。
よくがんばってると思うわ。さて、これでおしまい。
アンナ:聞いてくださって、ありがとうございました。
おかげで気が晴れました。**********先生:いいえ、聞くぐらいお安い御用よ。あちらで冷たいものでもいかが?
アンナ:あ、ありがとうございます。
重要表現 (1)聞いてくださって、ありがとうございました。
(2)おかげで気が晴れました。**********
目上の人や関係の遠い人に、愚痴や悩みを話して、気持ちが楽になったときのお礼の表現です。
(1)「聞いてくださって」は「聞いてくれて」の敬語の表現です。相手のしてくれた行為に対するお礼を伝えます。
(2)「おかげで」は、「相手のしてくれた行為が理由で」と相手に感謝を伝える表現です。「気が晴れました」は、気持ちが楽になり、まるで雲がなくなった空のようだという意味です。
コラム
「箸」
世界の約30パーセントが箸で食べる文化を持つと言われていますが、日本もその一つです。中国、韓国など同じ東アジアの国々も箸の文化がありますが、特徴が少しずつ違います。
まず、日本の箸の形ですが、中国のものより短く、先がとがっていて、韓国の箸よりは長くて太いです。材質も、中国では象牙や象牙に似せたプラスチック、石など重いものが木より好まれ、韓国では金、銀、ステンレスのような金属製が好まれるようですが、日本の箸は竹や木などの軽いものが多く使われます。漆や蒔絵がついた高価なものもあります。
中国、韓国と最も大きく違う点は、中国や韓国は箸と匙を使って食べますが、日本では箸だけで食べるという点です。また、中国では個人の箸は持ちませんが、日本では家庭内で個人がそれぞれの箸を持っています。さらに、中国では料理を取り分けるための取り箸を使わず、主人が自分の箸で客に料理を取り分けたりもしますが、日本では、客をまねいた場合は取り箸を使います。
日本でも自分の箸で料理を取り分ける直箸は家族間や親しい友人同士では使用しますが、一般的には食べるための箸で取り分ける直箸を避ける傾向があります。
日本での箸の使い方のタブーのいくつかをご紹介しておきますので、参考にしてください。