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日语童话故事精选:山狸的书法

作者:来源  来源:日语学习网   更新:2015-8-28 9:16:49  点击:  切换到繁體中文

 

むかしむかし、ある寺に、源哲(げんてつ)という、和尚(おしょう)がやってきました。


村の人たちは、新しい和尚さんにあいさつしようと、畑仕事を終えると寺にやってきました。


「こんばんは、和尚さん。・・・?」


「はて? どこにも、おらんようじゃが」


と、いいながら和尚をさがすと、なんと源哲和尚は、お堂の屋根の上で酒をのんでいました。


これには、村の人たちはすっかりあきれて、


「ぼうずのくせに、昼間から酒をのんでござる。ちいと、かわっとるとちがうか、あの和尚」


「ちいとどころじゃねえ。あんなやつ相手にしとれんわい。けえろうや」


と、みんな帰ってしまいました。


村の人たちからは相手にされなくなった源哲ですが、うら山にすむ子ダヌキたちには、すっかり気に入られてしまいました。


「おもしろそうな和尚さんだで、遊んでくれるかもしれん」


と、子ダヌキたちは、人間の子どもにばけて、源哲の前に出ていきました。


「和尚さん、なにしよるんじゃあ。おらたちもなかまに入れてくだせえ」


子どもずきの源哲は、ニッコリして、


「いいとも、いいとも。それじゃあ、読み書きを教えてやろう」


と、それはいっしょうけんめいに、子ダヌキたちに教えてやりました。


子ダヌキたちは、大よろこびです。


「和尚さん、お月さまって、どう書くんじゃ?」


「おらにも、教えてくれろ」


そのうちに子ダヌキたちは、たいそう読み書きが上手になりました。


源哲と子ダヌキたちが、たのしそうにしているのを見た村の子どもたちが、なかまに入れてほしいとやってきました。


「えんりょはいらんぞ。なかまは多いほどはげみになるでのう」


こうして村の子どもたちもいっしょに、手習い(てならい→お勉強)をするようになったのです。


そんなある日のこと、村の子どもたちは、近くの川でとった魚を源哲にさしだしました。


「おらたちにゃ、これくれえしか礼ができねえんだが、酒のさかなにしてくれろ」


その日の帰り道、子ダヌキたちは、集まって相談しました。


「気がつかなんだのう。こんなにいろいろ教えてもろうたのに、なんのお礼もしなかったな」


「そうだとも、おんは返さんとな」


「そういえば、和尚さんは、雨の日に酒を買いにいくのが、なんぎじゃというとられたぞ」


それからというもの、子ダヌキたちは人間の子どもにばけて、雨の日の夕ぐれにはかならず酒屋まで酒を買いにいき、源哲にとどけるようになりました。


ところが酒屋の主人が、酒を買いにくる子どもたちのようすが、どうもおかしいと思っていました。


「きっと、あの子どもたちはタヌキにちがいない。きょうこそは、しっぽをつかんでやる」


そうとは知らない子ダヌキたちは、いつものように、光る石で作ったお金を持って、酒を買いにきました。


ところが酒屋の主人が、いきなり戸をバタン! としめたので、ビックリした子ダヌキたちは、しっぽをひょっこりだしてしまいました。


「やっぱり、おまえらはタヌキじゃったんだな。このいたずらダヌキめ!」


酒屋の主人に、ひどいめにあわされてからは、子ダヌキたちは、二度と人里にすがたをあらわさなくなったそうです。


「あの子たちがタヌキじゃったとは。わしをよろこばそうとしたために、かわいそうなことをした」


源哲はかなしみました。


でも、このことで村の人たちも、ようやく源哲のやさしい人がらを知るようになり、親しくいききするようになったそうです。


 

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