天壇公園見物
A これからは天壇公園へご案内いたします。
B 天壇公園は天安門の南の方にあるようですね。
A はい。天壇は明と清の皇帝が天の神様に五穀豊穣を祈ったところでございます。
C あっ、あの3重屋根のところが天壇公園でしょう。
A はい。天壇公園でございます。どうぞお降りください。
C ガイド.ブックによれば、この3重屋根の建物は祈年殿というんですね。A そのとおりでございます。いまみえますこの三層に重なる白い大理石の基壇のうえにある輝かしい3重屋根の瑠璃瓦わらの建物がすなわち祈年殿でございます。Bこの祈年殿には梁や釘など一本も使われていないときいていますが、たいしたもんですね。A 祈年殿の南側にある建物は皇窮宇といいますが、歴代皇帝の位牌を祭るところでございます。Cへえ、可笑しいですね。なにかこだまみたいなひびきが聞こえてきたような気がしますね。
A はい。ここの壁は回音壁といわれ、壁に向かってささやきますと、反対側の人に聞こえるのでございます。試してください。Bうん、なるほど。C おや、あの屋根のない建物はなんでしょうか。A あれは園丘壇といいます。園が円形、丘がおか、壇が祭壇のことで、それに屋根もないので、文字どおりの天壇でございます。Cなるほど。A むかしは冬至の日になると、皇帝がここで天にお祈りをささげました。
景山公園見物
A 故宮の後ろ側に丘がみえますが、それが景山でございます。
B景山は人工でつみあげられたものだときいていますが。
A はい、一説には元のフビライ帝が外敵に備えて石炭を蓄えて積み上げられたものだと、それで石炭の山で「メイサン」とも呼ばれるわけでございますが、一説には、故宮の外堀を掘った土で築かれたものだともいわれています。とにかく、明や清の時代の皇室の庭園でございました。
C 百姓一揆で首吊りをして自殺した明の崇禎皇帝の死に場所もこの景山でしたね。
A はい。1644年百姓一揆のリーダー李自成が農民軍を率いて、北京に攻め込んできましたから、途方にくれた崇禎皇帝が、故宮をあとに景山にたどりつき、寿皇亭のすぐそばにある一本の槐の木に首を吊ってなくなりました。
B景山には多くの亭があるが、特に万春亭の見晴らしがよくて、北京一の眺望を誇るとされているほどだそうですよ。
C なるほど。ここからは故宮がはっきりみえますね。