本期主题:“さん”というのは人間にしか付けないもの?
“さん付け”辞典解说:人の名前に「さん」をつけて呼ぶこと。敬意や親愛の意を表す丁寧な呼び方。
声明:以下内容仅代表作者个人观点,仅供参考。
違和感を覚える「タクシーさん」
让人感觉别扭的“タクシーさん(的士先生)”
誰に気をつかっているのだろう?
到底是顾虑到谁才出现这样的叫法呢?
誤
最近タクシーさんに乗らさしていただくことが多いんですけど。
最近我常搭出租车。
これはジャーナリストがラジオでしゃべっていた言葉だ。「乗らさして」と「さ入れ」になっているが、それ以上に、普通名詞の「タクシー」につけられた敬称「さん」に違和感を覚える人は多いと思う。ラジオを聞いている人たちを意識して、丁寧な言葉づかいをしたいということなのだろうが、「さん」も「させていただく」もここでは不要だ。
这是新闻编辑在广播节目中说出口的一句话。不仅将动词“乗る”进行“さ变”,成了“乗らさして”,还在一般名词“タクシー”后面加上了尊称“さん”,我想很多人都会觉得别扭吧。也许那位编辑是想照顾到广播听众,所以在这里使用了礼貌用语,事实上句中的“さん”及“させていただく”都是多余的。
しかし、このごろ、このような「敬語」を使う人が増えている。私のところに来た文書にも、次のようなものがあった。
但是近来,如此使用敬语的人在增加。在别人发给我(作者是大学教师)的文件中,有以下这样的内容。
誤
小会では、学校様のご依頼を受け、著作物の二次利用等の許諾申請業務を代行しております。
本会受学校委托,代理申请著作二次利用授权等业务。
会話だったら、「タクシーさん」と同じように「学校さん」と言うのかもしれないが、正式な文書にいくら何でも「学校さん」はおかしいという理由で、「様」になったのだろう。誰に気をつかっているのだろう。クライアントである学校にだろうか、それとも交渉相手(この場合は私)になのだろうか。よくわからない。
如果是在日常对话中,恐怕会像“タクシーさん”一样称学校为“学校さん”吧,但因为是正式公文,再怎么说“学校さん”也有些奇怪了,因此如上所示变成了“学校様”。这到底是在照顾谁的感受?是他们的客户(学校)还是交涉对象(在这个情况下是我)呢?搞不明白。
日本語の丁寧語化に伴い、企業名に「さん」づけが広まる
随着日语的敬语化,在企业名后面加“さん”开始普及
従来、企業名、つまり固有名詞に「さん」をつけることは、同業者間で行われてきた。たとえば、別々のタクシー会社の人間が互いに「ABCタクシーさん」「XYZ交通さん」と呼び合い、話題に上った他社のことも「さん」をつけて呼ぶ。これは、商売人同士の一種の礼儀として定着していた。
一直以来,日本同行之间会在企业名、也就是固有名词后面加上“さん”。举个例子,两家出租车公司会这样相互称呼, “ABCタクシーさん”、“XYZ交通さん”,而对于在谈话中出现的其他公司也会加上“さん”。作为商家之间的一种礼仪,这种做法逐渐固定下来。
それが、日本語の丁寧語化に伴って、直接関係のない企業名にも「さん」づけするという風潮が広まってきた。業界人同士の会話だけではなく、一般の人がタクシーに乗って道順を説明するのに、「Aスーパーさんの先を右に曲がっていただけますか」と言ったりするのだ。
之后,随着日语敬语化的发展,日本掀起了一股风潮,即称呼没有直接关系的企业名时也加上“さん”。除了行业内部人的对话以外,有时候连普通老百姓也会在坐上出租车后这样说明路线:“能麻烦在A超市(先生)前面右转吗?”
誤
(「出張は飛行機でいらっしゃったのですか」と問われて)
いいえ、今回はJRさんを利用させていただきました。
(被问道“您出差是搭乘飞机吗?”)
不,这次搭乘了JR(先生)。
このような場面で「JRさん」と言えるのは、JR以外の鉄道会社や航空会社などに所属する人が、JRを含む交通機関の関係者に向かって、つまり同業者に話しているときに限られていた。ところが今は先に述べたように、一般の人同士の会話の中でも使われる。あるとき授業に遅刻してきた学生が、「JRさんが遅れたんで」と理由を述べたとき、私は、「最近の若者の言葉づかいは何だ」と嘆く大人たちに、「最近の若者はしっかり最近の大人の言葉づかいを学習していますよ」と言いたくなった。
以前,仅限于JR以外的铁路公司及航空公司相关人士在面对JR在内的交通部门相关人士,也就是同行的时候,才能像这样称呼“JR”为“JRさん”。但是正如刚才所述,如今一般人之间进行对话时也一样会使用了。有次某学生迟到后,这样说明理由:“因为JR(先生)晚点了。”我不由得想对那些感叹近来年轻人用语不当的大人们说,“近来年轻人可是有好好学着最近的大人们说话哦”。