盛夏の候である。日本の友人宛ての手紙には思わず酷暑の候や炎暑の候などと書きたくなってしまうが、ここバンクーバーの夏の天気は本当にさわやかで素晴らしい。
那是盛夏的时候。在寄给日本朋友的信中,我不禁想写一写“酷暑之际、炎热季节”等这些词,但是我在温哥华,这里的夏天真是清爽美妙。
そんな夏の1日、日本語教師養成講座の卒業生達と野外バーベキューを行なった。口々にバンクーバーの天気は「いい気持ちですね」、「いい気分ですね」といいながら集まってきた。そして現在日本語を教えている卒業生から「気持ち」と「気分」の違いは・・・、どう教えればいいですかと質問された。
在那个夏天的某一日,我和日语教师培养讲座的毕业生一起去野外烧烤。集合的时候大家异口同声地说着「いい気持ちですね」(心情真好啊)、「いい気分ですね」(心情真好啊)。但是现在在教日语的毕业生却问我应该如何去说明「気持ち」和「気分」的区别。
これは日本語教師がよく受ける質問のひとつである。確かに「気持ちいい天気ですね」はよく使うが「気分いい天気ですね」とは言わない。また「薬を飲んだら気持ちがよくなった」も「薬を飲んだら気分がよくなった」も両方使う。でも例えば「この靴下はサラサラして気持ちがいい」は問題ないが、「この靴下はサラサラして気分がいい」は何となく不自然である。
这是日语老师经常听到的一个问题。确实我们经常使用「気持ちいい天気ですね|这天气真舒服啊」,而不用「気分いい天気ですね」。另外「薬を飲んだら気持ちがよくなった|喝完药舒服一点了」和 「薬を飲んだら気分がよくなった」两者都能使用。但是,比如说「この靴下はサラサラして気持ちがいい|这双袜子干燥清爽好舒服」这样说是没有问题的,但是「この靴下はサラサラして気分がいい」这样说的话,就有些不自然了。
確かに我々日本人は無意識のうちにこの「気持ち」と「気分」を使い分けているのだが・・・。 うーん、でもそんなことはあまり気にすることはなく、日本語教育においてはどちらでもいいですよと教えたい。でも上級レベルになるとこの違いが分からない ととても気持ちが、気分が悪いのである。
确实我们日本人在无意中就能区别使用「気持ち」和「気分」,但是对于外国人就很难了。不过不需要太纠结这些,在日语教育中我想说哪一个都行。但是如果成为了高级学习者的话,不分清两者的差异的话,可能就会感觉不舒服了。
上級者にはこんな感じで教えている。「気持ち」は何かある事を瞬間的に感じるときに使います。例えば猫の死骸などを見たとき瞬間的に「わー、気持ち悪い」で すね。一方「気分」は全体的な雰囲気を継続的に感じるときに使います。例えば猫の死骸をずっと見ていたら「何となく気分が悪くなった」がいいですよ、であ る。するとやはり「気分いい天気」が何となく不自然に感じるのは天気の良し悪しは瞬間的にすぐ判断出来るからなのであろう。でも本来はこんな簡単に説明できるものではなさそうだが・・・。
我抱着这样的心情去教高级学习者。「気持ち」是在瞬间地感觉到某事的时候使用。比如说在目睹猫的尸体的时候,瞬间地感受到「わー、気持ち悪い」。另一方面,「気分」是在连续地感受到整体氛围时使用。比如说一直盯着猫的尸体看,就可以说「何となく気分が悪くなった」。这样的话,之所以感觉「気分いい天気」有些不自然或许就是因为天气的好坏是能够在瞬间立马判断出来的吧。但是,本来这就不是能够轻而易举说清楚的。
昔、日本で上級者とお酒を飲みながらこんな話をしたことを思い出した。「お酒を飲み過ぎて気持ちが悪い」と「お酒を飲み過ぎて気分が悪い」の違いである。この 違い我々日本人は確かに何となく感じる。そうですね・・・、瞬間的に吐き気を感じるような場合には「気持ちが悪い」がいいですね。また「今朝は二日酔い で・・・」は体全体の雰囲気を表したいのだから「気分が悪い」のほうが自然な感じがするんですよ、である。でもこんなことは本当にどうでもいいのだ が・・・。
我想起了以前在日本和高级学习者一边喝酒,一边进行着这样的谈话,就是「お酒を飲み過ぎて気持ちが悪い|酒喝多了感觉不舒服」和「お酒を飲み過ぎて気分が悪い」的区别。我们日本人或多或少能感觉到两者的差异。像在瞬间感受到恶心的时候,可以说「気持ちが悪い」。另外像「今朝は二日酔いで・・・」这样想表达身体整体状况的时候,「気分が悪い」显得更加自然。但是我却认为这些区别真的无关痛痒。
そしてこんなことが議論になった。「先生にほめられて気持ちがいいです」も「先生にほめられて気分がいいです」もどちらも使えそうだが、何となく「気分」のほうが自然な感じがする。しかし「矢野先生にほめられるとちょっと気持ちが悪いです」は使えないことはない。しかし「矢野先生にほめられると気分が悪いです」と言われると・・・確かに私としては非常に気分を悪くしてしまう。
然后我们开始讨论起这些。「先生にほめられて気持ちがいいです|被老师夸奖了感觉很舒畅」和「先生にほめられて気分がいいです」两者貌似都能使用,但是「気分」显得更加自然。但是也不是说不能像这样说「矢野先生にほめられるとちょっと気持ちが悪いです|被矢野老师夸奖了感觉很恶心」。但如果我听到别人这样说「矢野先生にほめられると気分が悪いです」,我的心情会被弄得很糟糕。
でもどうして・・・。めったにほめないからこんな表現が可能になってしまったのであろう。これからはもっと積極的に生徒をほめなければいけないと心に命じた次第である。
这是为什么呢。或许是因为很少表扬别人,所以才会产生这样的表达方式吧。今后我一定积极地表扬学生。